医療の目的・目標について
先週末は福井にいました。
レッサーパンダが西山公園という見晴らしの良い公園にいるんですが、レッサーパンダかわいいですね。
さて、今週も、インフォームドコンセントについて書いてみます。インフォームドコンセントの手引きという小冊子を読んだら、とてもわかりやすく何回かに分けて紹介しようと思います。
以下、内容
【患者】
○患者に対して行われる医療行為には"診断"、"治療"以外にも目的があります。たとえば、"苦痛を緩和すること"、"日常生活を支援すること"、尊厳のある安らかな死を支えること"は重要な医療の目的の1つです。また、診断にも「病気の段階や程度を確認するため」「隠れている大変な病気の存在を否定するため」など、治療にも「病気を完全に除去すること」から「病気の進行を遅くすること」などさまざまです。治療などに関する詳細なデータよりも、まずあなたに行われる医療が何を目指しているのかについて理解を共有することが何よりも大切です。
【医療者】
○医療が目指すものは、以下のものがあるといわれています。それぞれ、医療者が役割と専門職としての責務を持つものです。
・疾病、障害の予防と健康の維持促進
・疾病や障害によって引き起こされる苦痛の緩和
・疾病や障害を持つ人々の治療とケア、治癒させることができない疾病や障害を持つ人々に対するケア
・寿命のまっとうと穏やかな死の支援
出典:The Goals of Medicine Setting New Priories Hasting Center Report 1996.Nov-Dec.suppl.S1- S27
また、以上の異なる医療の目標は、同時に複数のものが存在することも十分にありえます。たとえば、重症の肺炎になった高齢者にとっては、病気から回復してもういちど元気になることと、病気から回復できなかった場合には尊厳ある穏やかな姿を迎えることが同時に目的として存在することは現実的にありうることです。医療の目標自体も「あれかこれか」を早急に決めてしまわず、常に揺らぎの中でその都度話し合い、探索されるものだと私たちは考えます。
治療は
患者と医療者が、それそれ目的・目標がバラバラだと、大変ですよね。
医療者は合わせてくれるかもしれません、選択肢が、ない場合も寄り添ってくれるかもしれませんが、やはり、目的・目標を共有するためにコミュニケーションは大切ですね。