■第906回 食品安全委員会

日付:令和5年7月18日(火)
 

議題

 

(1)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見の聴取に関するリスク管理機関からの説明について

・農薬4品目(厚生労働省からの説明)

アセフェート

キノフメリン

ホスチアゼート

メタミドホス

・動物用医薬品1品目(厚生労働省からの説明)

タイロシン

・飼料添加物1品目(厚生労働省からの説明)

2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニンイソプロピルエステルを飼料添加物として使用した家畜に由来する食品の安全性

・飼料添加物1品目(農林水産省からの説明)

2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニンイソプロピルエステル

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見について

・農薬「フロニカミド」に係る食品健康影響評価について

・農薬「ポリオキシンD亜鉛塩」に係る食品健康影響評価について

(3)  令和5年度食品安全確保総合調査課題(案)について

(4)  その他

 

審議の内容

 

(1)  リスク管理機関からの説明

 

厚生労働大臣から7月12日付けで農薬4品目、動物用医薬品1品目、飼料添加物1品目について、農林水産大臣から同日付けで飼料添加物1品目について、それぞれ食品健康影響評価の要請があり、今回説明を受けました。

 

アセフェートについては過去に評価したことがあります(2016年12月13日に第3版を答申)。企業から、この農薬をミニトマトにも使うことや、また、既に登録のあるブロッコリーへの使用時期を変更することについて申請がありました。

 

キノフメリンについては、企業から、稲、トマト等に使用する新たな農薬として登録申請がありました。

 

ホスチアゼートについては、過去に評価したことがあります(2022年5月18日に第2版を答申)。企業から、この農薬をキャベツ、セルリー等にも使用したいとの申請がありました。

 

メタミドホスについても、過去に評価したことがあります(2016年12月13日に第2版を答申)。この農薬は国内で登録されていませんが、今回企業から、アセフェートのミニトマト及びブロッコリーの適用拡大に関する申請に合わせて、アセフェートの代謝物であるこの農薬の基準値の見直しについて問われています。

 

タイロシンについても、過去に評価したことがあります(2019年3月5日に第3版を答申)。この製剤は、現在牛、蜜蜂等に使用する動物用医薬品として承認されていますが、企業から蜜蜂への使用方法を追加したいとの申請がありました。

 

2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニンイソプロピルエステル(HMBi)については、食品衛生法第13条第3項の規定に基づく、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質(対象外物質)として規定されているメチオニンを有効成分とする飼料添加物です。牛用飼料に栄養成分その他の有効成分を補給する目的の飼料添加物として使用した家畜に由来する食品の安全性について問われています。

合わせて、HMBiについて、飼料添加物として指定するとともに、飼料添加物の基準及び規格の設定並びにこれを含む飼料の基準及び規格の設定に向けた評価要請がありました。

 

以上の品目のうち、アセフェート、ホスチアゼート及びメタミドホスについては農薬第四専門調査会において、今後審議することとしました。なお、この3農薬については、有機リン系の成分であることから発達神経毒性についても議論を行うことが確認されました。その他、キノフメリンについては農薬第五専門調査会において、タイロシン及びHMBiについては肥料・飼料等専門調査会において、それぞれ審議することとしました。

 

(2)  食品安全基本法第24条の規定に基づく委員会の意見

 

○フロニカミド

 

農薬「フロニカミド」は、過去に評価を実施したことがあります(2022年2月22日に第8版を答申)。企業から葉ごぼうにも使用したいとの申請があり、2022年5月24日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価の要請がありました。

今回作物残留試験(葉ごぼう)の成績等が新たに提出されましたが、毒性に関する試験成績の追加提出はなく、許容一日摂取量(ADI)=0.073 mg/kg 体重/日、急性参照用量(ARfD)について、1 mg/kg 体重(妊婦又は妊娠する可能性がある女性)、3 mg/kg 体重(一般の集団)は第8版から変更していません。

 

この審議結果について指標に変更がなかったことから、意見・情報の募集は行わずに厚生労働大臣に通知することとしました。

 

○ポリオキシンD亜鉛塩

 

農薬「ポリオキシンD亜鉛塩」は、過去に評価したことがあります(2021年6月8日に第1版を答申)。今回企業から、この農薬をアスパラガスにも使用したいとの申請があり、2023年5月24日付けで厚生労働大臣から食品健康影響評価の要請がありました。

今回作物残留試験(アスパラガス)の成績等が新たに提出されましたが、毒性に関する試験成績の追加提出はなく、ADI=7.2 mg/kg 体重/日、急性参照用量(ARfD)は設定する必要がないとの結論は、第1版から変更していません。

 

この審議結果については指標に変更がなかったことから、意見・情報の募集は行わずに厚生労働大臣に通知することとしました。

 

(3)  令和5年度食品安全確保総合調査課題(案)について

 

令和5年度食品安全確保総合調査課題(案)として「食品により媒介される微生物等に関する食品健康影響評価に係る情報収集調査」を承認し、今後、手続きを進めることとしました。

 

当日の会合資料は下記をご参照ください。後日、議事録も公開します。

https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20230718fsc