寄生虫(きせいちゅう)とは、動物や魚の体内にいる生物のことで、食中毒の原因になることがあるため気をつけなければなりません。寄生虫による食中毒を予防し、安全に魚や肉を食べるために、寄生虫について知って、注意するポイントを覚えておいてください。

 

(1)どうして寄生虫には注意が必要なの?

 生の魚や肉には、寄生虫がいることがあるため(※1)、きちんと処理されていない魚や肉を生で食べることで寄生虫に感染することがあります。寿司や刺身などで食べることがあるイカやサバ、サケ、カツオ、イワシ、サンマなどにはアニサキスという数センチぐらいの白くて細長い生物が寄生することがあります。平成29年の厚生労働省による食中毒統計では、事件数の20%程度が寄生虫による食中毒でした。最近よく耳にするようになったシカ肉やイノシシ肉などのジビエ(※2)を生で食べて寄生虫に感染したという報告もあります。

(※1)種類や部位によっては、細菌やウイルスがついていることもあります。

(※2)食べるために狩りの対象となる野生の鳥やけもの、またその肉のことです。日本ではシカ、イノシシ、クマが代表的です。

 

(2)寄生虫が体に入るとどうなるの?

 お腹が痛くなって下痢をしたり、はき気がしたりといった症状が出ます。食べた後、1~10時間くらいの間にこのような症状が現れることもあります。ただし、寄生虫のなかには人の体に影響しないものもあります。

 

(3)寄生虫による食中毒を防ぐにはどうしたらいいの?

 すべての魚や肉に食中毒を引き起こす寄生虫がいるわけではありませんが、食中毒を防ぐためには、中心までよく火が通るよう加熱するか、寄生虫の種類によっては十分に冷凍してから食べることが大切です。例えばアニサキス幼虫はお酢や塩、わさびをつけても、死にませんが、中心温度60℃で1分の加熱、またはマイナス20度で24時間以上の冷凍で多くは死んでしまいます。なお、寄生虫の中には冷凍しても死滅せず長時間生存するものもあるので注意が必要です。

 

 食品安全委員会では、食品の安全に関してお子さまといっしょに読んでいただきたいページとして、「KID’S BOX」(キッズボックス)というページを作成しています。その中から、特に読んでいただきたいことを、当Facebookでもお伝えします。

 

(参考)

・内閣府食品安全委員会 食中毒予防のポイント 寄生虫による食中毒にご注意ください

http://www.fsc.go.jp/sonota/kiseichu_foodpoisoning2.html

 

・農林水産省 寄生虫による食中毒に気をつけましょう 

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/parasite.html

 

・厚生労働省 アニサキス症による食中毒を予防しましょう

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html

 

・内閣府食品安全委員会 キッズボックス

http://www.fsc.go.jp/kids-box/