こんにちは!カンテウムの矢舗です。
今日は、「高音の安定」について、曲の例をあげて説明
したいと思います。
例とする曲は
「ロンドンデリーの歌(ダニーボーイ)」です。
アイルランドの民謡で誰もが耳にする名旋律ですが、民謡としては通常考えられないような音域の広さを持っていることなど、謎も多い曲とされています。
そしてその幅広い音域の頂点に達するポイントが各節の終盤にあり、この曲の最大の見せ場といえる部分を作り出しています。
このポイントを歌い切るために、私が何をやっているのかというと、大きく分けて2つあります。
それが、
①横隔膜による支え」と、
②「ラインの確保」です。
①横隔膜の支え
横隔膜は肋骨の一番下の骨のラインに沿って広がっており、肺とその下の臓器を「隔てて」います。
肋骨を十分に広げることによって、そこにくっついている横隔膜も広がり、肺から外に出る息の圧力をコントロールできます。
具体的には動画の1分12秒(あるいは2番では2分39秒)では非常に息を深く吸います。
この時に大事な点がさらに2つ、それが、
・できるだけ音がしないように深く息を吸い込む
・横隔膜の広がりをしっかりと感じとる
ことです。
静かに、巨大なエネルギーを肺の中にため込むイメージと言えば良いのでしょうか。この動作が横隔膜を「高音用」に安定させるために大変重要なのです。
②ラインの確保
これは母音の操作のことです。
1番の高音がでてくるポイント(1分12秒)での歌詞は「i'll be here」なのでが、beもhereも日本語でいうところの「イ」の母音に近い発音になります。
ここを純粋に「イ」で歌ってしまうと非常にきつくなります。
なのでこの場所では「結果的に『イ母音』に聞こえる」ように母音を調整しながら声の出口を広げて、ラインを確保しているのです。(2番の高い「bend」の音の前の歌詞「will」のイ母音も同様です)
そうすることによって、母音ごとに響きが変わらずにメロディーラインをレガートに保てるのです。
この2点、
①横隔膜による支え」
②「ラインの確保」
が高音の安定のためにとても重要な要素で、私も日々研鑽を積みつつ実践していることです。
是非取り入れてみてください。