こんにちは!音楽教室カンテウムの矢舗です。
今回は、声楽発声の重要なポイント、呼吸に歌声を乗せていく方法について書かせていただきます。
朗々とホールに響き渡る歌声や、深い説得力を持った話し声には、その声の元である「息」の安定した供給が絶対に必要なことは、どなたでも何となく理解できることと思います。
声楽発声において、この部分はもっとも重要で、奥が深い部分と言えるでしょう。
呼吸法の基本的な型(呼吸法について)がわかったところで徐々にイタリア古典歌曲やコンコーネなどのヴォカリーズ(母音で歌う練習曲)に呼吸法を応用していきます。
このステップは大きく2つの課題に分かれます。
①音節に空気を送る
②フレーズに空気を送る
①音節に空気を送る
音節とは、”母音を中心とした音のまとまり”のことで、例えば「さくら」という言葉は、「sa-ku-ra」と赤字になった母音の数が3つ、つまり3音節となります。
一つ目の段階では、このような音節一つひとつに対して、呼吸の筋肉を使いながら、全てに息を送り込んでいきます。課題となる曲の歌詞が「amarilli」であれば、「a-ma-ril-li」4つの音節全てに、意識的に、空気を送り込むということです。
これまで色々な方の歌声を聴かせてもらいましたが、この部分をおろそかにしている方が最も多いと感じます。
ごくシンプルに考えて、曲の必要に応じて必要な音に息を送ることができなければ、発声のテクニックとして成立していないということです。全ての音節に息を送り込むことができれば、どの音節を強調することも、抑えることも自由自在です。つまりこの部分こそが、発声におけるテクニックの根幹なのです。
②フレーズに空気を送る
ここに来てはじめて、多くの方がなさっている「お腹を意識しながら歌う」ということに近い課題となります。
ですが同じことを行うにしても、いきなりこの課題を行うのと、これまで書かせていただいた、前段階を踏まえて行うのでは全く異なった結果になることは、わかっていただけるのではないでしょうか。
事実、「何となく意識できる」といった感覚とは全く違ったフレーズの支え方ができるようになります。
以上が「呼吸に歌を乗せていく方法」でした。このような練習によって、声がそれまでとは全く違った質のものへと変わっていくのです。
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