娘とバレンタインのチョコを作ったときのこと。

「チョコ作るっていうなら、カカオから作ってみろ」というつっこみはナシです。

実は私もそっち派でしたが今回は
「そこからじゃなくって」…(カルピスCMの小林星蘭ちゃん風に)

溶かして成型しなおすだけのやつです。
素人ですから。

例年は娘に付き合う程度だったのが、今年はなぜかおもしろく感じられ、
誰のためでもなく自分のために、
何度もチョコを溶かしては型に流し込み、溶かしては流し込み、
しつこく続けるうちにコツがちょっとわかった気がしました。


溶かしてゲル状になったチョコを型にとろ~んと垂らすと
チョコは自分自身の重さでへにょ~んと広がっていきます。

広がったチョコは、型のふちまで達するとそこで止まります。

更に注ぎ続けます。

あとからあとから押し寄せるゲル状のチョコ。

そろそろ溢れそうです。

しかし、ふみとどまっております。
チョコ頑張っております。
表面張力です。

注ぎすぎると決壊してしまいます。

決壊直前で止めると、
こんもりと盛り上がった状態でつやつやの表面形状を保ってくれるので、
冷えたときにキレイな形状に仕上がります。


チョコが足りないと、平らだったり中央がへこんだりして、
貧弱な形状になります。

最適な位置に垂らさないと、型の底に空洞ができることがあります。

注ぐスピードが速すぎても同様です。


呼吸を整え、チョコ頑張れと応援しながら
最適な位置に、あせらず、もたつかず、欲張って注ぎすぎず、
チョコの流れを読んで優しく注ぎ、
最後はピタリと止めます。

こんもりつやつやの形に仕上がったときはもう…快感!!


きっと奥が深い世界なのでしょう。

パティシエさんとかショコラティエさんとか。
尊敬します。

もし流体力学を知っていれば、きっともっと楽しい。

知らないからひたすら試行錯誤の繰り返し。

娘とふたりでいろいろな型を試したりフルーツを混ぜ込んだりするうちに
家じゅうが甘ったるい香りでいっぱいになりました。

その香りを焼肉の煙で強引にねじ伏せて、
我が家のバレンタインは幕を閉じたのでした。



2月中に記録できてよかった。