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青汁日記

自叙伝的な苦い思い出をちょっとだけ脚色して書いてます。
たまにSSなんかも書いてます。

そんな騒ぎも5月連休をはさみ、沈静化するかとも思われた連休が開けたころ、
朝から一緒に登校しようと姉に誘われた。

珍しいこともあるもんだ。まあ別に拒否する理由もなく,
たまには…
と軽く考え一緒に家を出た。

だいたい姉は早めに登校して生徒会に寄ってから教室に向かうの日課であり、
俺は、いつも家にぎりぎりまでいて登校していた。

まずはいつもと違うというところを疑わなければならなかったのに、
俺は甘かったと後で知ることになる。

先に玄関を出て、待っていた姉が「はいっ」と右手を差し出してきた。

何かくれるのだろうか?と近づき手を覗き込むが、何もない?
不審に思って姉を見上げると、満面の笑みでこういった。

「はいっ。ちゃんとエスコートしてね?」
どういうことかわからず、しばらく姉をぼーっとみつめていたが、

急激に顔色が…、
天使の微笑みが、固まっていき、目がつりあがって、口が引きつってきた。

こういう時は触らぬ神になんとやらで、そっと姉の横をすり抜け逃げようとしたが、
当然、そんな俺を逃がすわけもなく、片手でガシっと肩をつかまれた。

姉の顔がドアップになるほど近づていきたかと思うと、耳元で

「そんなに私のことが、イヤ?」
こそばゆいとあわてて、囁かれた耳を両手で押さえ、後ずさりながら、姉をみると、

上目使いで、目を潤ませて、じっと見つめられ…
実の姉なのにドキッとしてしまう。
これで断れるやつがいたら、朴念仁か、石部金吉か、はたまた人ならぬものか

はぁ………
ため息をひとつ大きくつき、あきらめて手をつないだ。

まあバスに乗るまでの5分程度のことだし、そんなに嫌がることもないだろう。
幸い近所には同じ高校の知り合いもいない。

でも、やっぱり甘かった。

バスに乗る時に手を離したが、なぜかそんなに混んでもいないのに、俺の前に立ち
俺の胸にそっと寄り添うように立つ姉。
何かの嫌がらせか?でもそんな嫌がらせを受けるような覚えもない。

文句の一つでも言おうと姉を見下ろすと、目があった。
そこには『わかってるわよね』とばかりの無言の圧力が…。
目は口ほどにものを言うとはことのことだろう。

蛇ににらまれたカエルのごとく、どうしようもなく固まってしまった。
ふと我に返ると、ほのかに匂い立つ甘い匂いと柔らかい感触が制服越しに感じられて
バスで駅まで15分ほどなのに、時間が経つのがこれほど遅いとは今まで感じたことはなかった。

しかし、甘い気持ちも途中で同じ高校のやつらが乗ってきた為に見事に吹っ飛んだ。
あわてて離れようと、身体をひねり、顔をみせないように反転させようとするが、なぜか動けない。

と、胸元を見下ろせば、姉が俺の胸に顔を伏せ、制服をつかんで離さない。

なにしてるの?

顔を伏せようにも、姉の頭が邪魔でそれもできない。これで知り合いでも乗ってきた日にゃ
冷やかされるどころか、血祭りにあげられる。
そう相手が血がつながった姉といえども…だ。

うんっと力を入れて身体を動かそうとするが、制服をつかんだ手により一層の力がいれられているのが分かった。

なんで?

どうしようもなく、せめて顔だけは、と無理やり反らしたところで目があった。

そう、葉子さんと…。