葉子さんはきょとんとしていたが、そのうちニヤリと黒い笑みを浮かべて
イヤ違うんだ、何が違うといわれても困るがと必死でボディランゲージ
さすがにこれはまずい。どうすれば…
あ、話せばいいんだ
とテンパった俺が気づいたときには、バスは駅に到着し乗客を吐き出していた。
バスを降りたところで、待っていたのはニヤニヤと黒い笑いをした葉子さん。
「朝からオアツイことで」
「いいでしょう?今日は圭樹が送ってくれるっていうからねぇ」
!!
そんなこと一言もいってないぞ!
「まあまあ、いいからいいから、よかったねぇ~美月、思いがかなったんだね」
「そう、昨日の熱いベーゼを思い出すと…」
なんだそりゃ?
ベーゼってなに?
ひとりあっけにとられ考え込んでいると
「さあ、行こう、あ・な・た♪」
と右腕を掴まれ、腕をからませてきた。
「姉さん、いい加減にしてよ、人がみてるよ」
「いいじゃなーい、私と圭樹の仲じゃないの」
「そーそー、二人はラブラブだもんね」
聞こえるようにわざとらしく話す葉子さん。
遠巻きに同じ高校の奴らが見ていたが、ええーとか、なにー!とかいう声が聞こえる。
そんな声を無視して、そのままオレを引きずるようにして、歩き出した。
右から葉子さん、姉、俺の順に並んで歩く。
姉は恵さんと何やら楽しそうに話しているが、両手を俺の右腕から離そうとしない。
その右腕には、なにやら柔らかいものがさっきからあたっているのだが…
「あの、いい加減にしてよ。もう学校の傍だし、色々言われても困るでしょう?姉さん」
振り払おうとするが、以外にも力強く振り払うことができない。
それどころか、葉子さんと話に夢中で、こちらを向こうともしない。
「無視しないでよ!葉子さん、葉子さんからもいってやって」
「ん?なんだそんなに嬉しいの?それとも、私の方がいい?」
「ダメだよ葉子、圭樹は私のものだから、とっちゃだーめ」
「ええーそうなのか?しょうがないなあ、二人はラブラブだもんなぁ」
とわざとらしく周囲に聞かせるように返事をする。
もう好きにして…
となかばあきらめているところに
姉がつかむ腕に力を入れて、さらに押し付けてきた。
何を?
なにです。柔らかいものです。それこそ埋もれるぐらいに。
「姉さん、当たってるどころか、埋もれてるけど」
「うも?」
うもっ?そう埋もれてるから。
「うも……うま………」
なぜにうま?連想ゲーム?
「生まれる!!」
いっ……!
意味わからん!!
「生んでいいの?」
はぁ???
「ええーそんなに夕べは激しかったの?美月?本当にラブラブだねえ」
とひときわ大きな声で話す葉子さん。
いやもう、なんというか…
すべてを悟ったようにおとなしく学校までつきあった。
生徒玄関でやっと離れてくれた姉は、
「名残惜しいけど、お昼休み一緒に食べようね?迎えに行くから」
と手を振りながら葉子さんと一緒にかけて行った。