BOSSになる事

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若葉がレッスンに出なくなってから数ヶ月が経ちましたが、実はもう大分前からスタッフのレッスンでは活躍しています。



スタッフと言っても、乗馬経験わずか30鞍程度の母と、事務員さんや研修生ですから、騎乗プロのスタッフではありません。




会員さんは皆ご存知ですが、実は若葉は「乗せる人を選ぶ馬」になってしまっていたのです。
(一時は夫と私と下の弟以外には全員に反抗的でした。)




以前クラブに来ていたアニマルコミュニケーターや動物愛護家の方が判断した様な人間的な感情でそうなったのではありません。


馬が大好きで大好きでたまらない人であれば、馬が人に挑む様になった場合、その原因を「かわいそうな」何かをしたからだと判断するのも当然だと思います。



…でも、特別に(虐待的な)何かをしていなくても時に人を試す事があります。



1日で平均すると1鞍もレッスンに出る事がなく、毎日7~8回の食事を取り、まったりと過ごしていた若葉は何時の間にか人と馬のボーダーがなくなりました。




初めて対峙する馬同士では、圧倒的な力の差がある場合なら争いもなく一瞬で優劣がつきますが、通常は力加減を確認し、軽い威嚇→一方の蹴り→双方の蹴り合いと発展していきます。
(時にはいきなり激しい蹴り合いになる事もありますが…)



こうして一度しっかりした上下関係を築いてしまえば、よほどな事がない限り、滅多に争う事はなくなります。



そして、群れの1番の長は頭の良い歳を取った牝馬で、それをとりまくのが力の強い牡馬達になります。




馬とは古来からそう言う生き物なのです。
こうする事で捕食者から逃れ、生き延びて種を残すわけで、平和主義で争わず常に大人しいのが馬…ではないのですよね。






ウチでは若葉がリーダーの立場にあり、日頃から上下関係で決着を付ける事が多かったのと、仕事をしなくてもお腹いっぱい平和に暮らせる事を学んだ為に、人間との境界線を失い騎乗する人に対し優劣を付ける様になったのだと獣医さんも仰っていました。
(特に中間種に顕著に現れるそうで、サラブレッドではほとんどないのだとか…納得です。)




幸い、人を落とす様な危険な行動を起こす訳ではなかったので、誰も怪我などはしませんでしたが、ウチが乗馬クラブである以上、人に挑み上下関係を築こうとする様ではいけません。



どうすれば良いか色々と苦心しましたが、騎乗した時若葉のBOSSになれれば全てが解決する事が分かりました。



(私達スタッフのサポートは無意味ですから)彼女が力関係を試してきた時、騎乗者本人がキチンと優劣をつける事で2度と挑む事はなくなります。



頭の良い若葉は、いつまでもそれを覚えていて、決着がついた人には決して挑もうとしなくなったのです。
これが馬の本能な訳で、決着をつける事は「かわいそう」な仕打ちでも何でもありません。



今では乗馬歴が浅く、1年以上のブランクを経て若葉に騎乗した母にさえ、毎日極めて従順にレッスンのサポートをしています。





乗馬はスポーツですが、動物とペアを組む為人間同士で行うスポーツとは大きく異なります。

乗馬をはじめるキッカケが馬が好きだから…と言う方ばかりである事もクラブをしていて良く分かります。




だからこそ、人間目線・人間感情でなく本当の意味で馬と言う動物を知ってもらえたら…と思うのですね。


「かわいそう」「馬の為に」の判断基準が間違ってしまえば、動物愛護とはかけ離れたものになるどころか、馬にとっては虐待だったりする事もあるのです。



クラブを営むサイドにとっても耳の痛い話が沢山だと思いますが、これが改善できなければ、日本の乗馬界は良くなりません。



各言う私もまだまだ勉強不足、もっともっと馬に近づきたいと思っています。



長くなりましたが、たまにはちょっぴり真面目なお話をしてみました。




それでは、今から富山研修に行ってきます!
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