韓国籍の船が当て逃げ 漁船転覆、船長救助 姫路沖

 二十一日午前五時二十分ごろ、姫路市飾磨区、姫路港の南約三十キロの播磨灘で、坊勢漁協所属の「漁吉丸」(四・九トン)と韓国籍の引き船「KUS NO1」(一三四トン)が衝突、漁吉丸が転覆した。漁吉丸には船長(41)=同市家島町=が乗っていたが、約四十分後、船底の上で助けを求めているところを通りかかったタンカーに救助された。船長にけがはなかった。

 衝突した韓国籍の引き船は東へ逃げたが、捜索中の神戸海上保安部の巡視艇が須磨沖で発見、停船させた。調べに対し、引き船の船長は「漁船に気付き避けたつもりだったが、台船が接触したかもしれない」と供述。台船の船首左側に白い塗料が付着していたという。

 姫路海上保安部が業務上過失往来危険の疑いで調べている。

 漁吉丸は同日午前四時ごろ、坊勢漁港を出港、現場付近で底引き網の操業中だった。

 第五管区海上保安部によると、播磨灘は大型タンカーやコンテナ船、土砂運搬船などの交通量が多く、二〇〇二-〇六年の五年間に計百七件の衝突事故が発生。〇六年十月二十九日には、小型タンカーとの事故で漁船が転覆、船長(72)が死亡している。

 船員法では衝突時の救助義務を定めており、二月九日に宮崎県沖でマグロ漁船が当て逃げされた事故では、第十管区海上保安本部が業務上過失往来危険の疑いで捜査している。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000247562.shtml