北カリフォルニア医療事情 | 北加発:アメリカ合州国、教育、人々、その他、なんでも

北カリフォルニア医療事情

北カリフォルニアでも、ベイエリアと呼ばれる、サンフランシスコ湾岸は医療の分野では世界でもっとも恵まれている地域の一つとといえます。

その理由は、University of California San Francisco(UCSF)とStanford Universityの大学病院があることです。UCSFというのは学部教育がなく、大学院レベルの医学校、歯科学校、看護学校などがあり、おおきな大学病院がSF市内の2箇所にあります。Stanfordの大学病院も規模が大きくりっぱものです。これらの大学病院での医療のレベルは世界の最先端のです。


ご存知かと思いますが、アメリカの医療は、普通、健康に問題があると主治医に係り、その主治医の手に負えなければ、主治医が、専門医に紹介をするというシステムです。しかし、この専門医でも手に余る場合があり、その時には、大学病院のもっと専門化された医師の診療をうけます。


大学病院で優れているのは、病理の部分が大変しっかりしている事のような気がします。やはり

専門の研究者が居るという事の強みは比べ物になりませんね。私が患者で大学病院に通った経験からの印象だと、大学病院での医者というのは、医師というより、科学者というかんじですね。自分達が患者の最後の希望だという事をよく理解して、その問題の原因を突き止めるという事に研究組織を活用してくれます。そして、治療は、患者と医療関係者と家族は一つのチームだという共通の理解のもとで行われます。Teaching Hospitalですから、先生がインターンを教えながらの治療ですが、これはこれで患者としては、面白かったです。私がUCSFで世話になったインターンはいまHarvard Medical Schoolの教授をしているそうです。


しかし、世界で最高の治療は、値段も最高です。私は15年ほど前に、CCI(Critical Care Unit)

に11日間居た事がありますが、病室代は日に$5000でした。手術もしたため、この治療の総額は$85000.保険が全額払ってくれたのですが、請求書をみてびっくりしました。普通の病院での病室代が一日$1000ですから、患者二人に看護婦(士)一人で看護をしてくれる、至れり尽くせりの大学病院のCCIだとこんなものかとは納得するものの高いですね。


保険がないとどうなるか、考えるだけで”ゾッと”します。 保険のない人たちのとっては、このような医療は別世界のことです。健康保険料、家族3人、年$12000