翌朝、窓からナント青い空が見えました!

予報では週末まで雪だったのに!

車の窓ガラスが凍るほどの寒さでしたが、昨日とは打って変わって良い天気!

もしかすると山が見えるかもしれない!と思い、宿の人に山はどちらの方向か尋ねると、その宿からは見えず、少し車を走らせたら見えるとのこと。

 

 

見えました。山が!!キレイな真っ白な山が!

このブログを書いている今も、この白い山をじっと見つめると胸がキューンとなって涙が出そうになるくらい、この冬のシャスタ山はクリスタルのように澄んでいます。

 

その日はヒーラーに会う日だったので、モチベーションも上がり、山が見えたことですっかりウキウキ気分になりました。やっぱりちゃんと山は顔を見せてくれた!早速、山に向かって車を走らせましたが、午前9時はまだ道路が凍っていて、恐る恐る運転です。しばらく車を走らせると、山の上へ続く道路は途中で閉鎖されていました。

 

・・・で、私はその日ヒーラーに会いに行き、午後は町を散歩したり、眺めの良いところから、ただただひとり山を眺めて過ごしました。そして、山も見れたし、もう満足!あと二泊あるけど、ビジターセンターの人が言ったようにやることないし、予定を少し早めてベイエリアに帰ってもいい、と思い始めていました(たった二日の滞在で)。

 

実は、あの、なんともいえない悲しいような感情は依然としてそこにあり、ベイエリアというよりすぐにでも日本に帰りたいような気分でした。ホームシックなのかな、でもこんな短い期間の旅行でホームシックなんていままでかかったことなどないし、むしろ、いつもはもっといた~い、日本に帰りたくないよ~とい思うくらいでしたので、やっぱり変でした。ただ、その時の私は、ベイエリアに戻れば平常心に戻って、このなんともいいようのない感情から逃れられるとわかっていました。

 

そして夜になって、あのB&Bのことを思い出しました。そうだ、電話してみよう!こっちに来て雪解けてたら電話してみてって言われてたし!と思い立ってTELしてみました。

 

道路の雪解けてたら、明日はそちらに泊まりたい。もしだめなら、もう山も見れたし満足したからベイエリアに戻るかも、みたいなことを言った時、そのB&Bのオーナー日本人女性は一瞬絶句し、いきなり私にこう言ったのです。

 

今年の山は例年になく澄んでいる。こんな澄んだ山のシャスタにいると、誰でも自分の内に隠れていたもの、見たくないものを見せらせる。あなたは、そんな自分から目を背けようとしていませんか?

 

「もうシャスタはいいかな」って私が言った途端、B&Bの人に、いきなりこんなことを言われて、私は電話口でまた泣いていました。なんか、すごーくその通りだったからです。でも、なんでなんで?B&Bが?泊まりたいって言っただけなのに、って頭のなかは混乱しているのですが、私のココロは彼女の言葉を真摯に受け止めていました。そして自分自身を振り返っていました。

 

結局、彼女は私に、この冬のシャスタでたった独りで自分に向き合うことの意味、もし私が彼女のB&Bに泊まれば、きっと彼女とおしゃべりすることになる、そうすると他の人のエネルギーが混ざってしまい、せっかくの今の体験はなくなってしまう、というようなことを話してくれました。そして、今晩じっくり自分自身と向き合って、それでも、どうしても、B&Bに泊まりたいと思うなら、また明日TELください、と彼女に言われ電話を切りました。

 

電話を切る頃には、私の気持ちは決まっていました。予定通り、もう一晩ひとりでシャスタに滞在する!それからひとりで思い切り泣きながら、感情が鎮まるのを待ちました。ひとしきり泣いて涙が落ちつく頃、私の気持ちはいくらかスッキリしていました。

 

そして、宿から2ブロック先のSilk Road(シルクロード)というカフェに向かったのです。

 

そのカフェでは毎晩コミュニティのための小さなイベントが開かれていました。昼間、そのカフェに行った時、イベントの予定表があったので持ってきていたのです。その晩は、オープンスペースといって、集まった人たちのシェアリングをやっていました。

 

気持ちも決まってスッキリはしたものの、冬の長い夜にそのまま宿(2日目宿変えたら私しかゲストがいなかった!)にひとりきりでいるのが嫌だったので、なんとなく出かけることにしたのです。

 

その小さなカフェに入ると、結構人が集まっていました。若い旅行者や地元の人たちが思い思いに座って、有志の人が代わる代わるシェアをするのです。シェアリングの時間はひとりにつき10分間で、ポエム、歌、スピーチ、なんでもありのようでした。私も座ってそれらを聞いていると、また涙が溢れてきました。誰かの歌やポエムを聞くたびに、なにか心が揺さぶられて涙がずーっととまらなかったのです。誰にも見つからないように静かに静かに泣きました。

 

そして最後のシェアリングはそのカフェのオーナー(?)、イベントの主催者である若い素敵な女性でした。

 

彼女はなんと、ディジュリドゥを取り出したのです。彼女の持ち時間は8分間でした。このイベントには、どうやら、シェアリングは一人につき1回のみというルールがあるようでしたが、誰かが、彼女に「プリーズ、プリーズ、もう一回だけ歌わせて」と懇願したため、彼女の持ち時間が短くなってしまったようです。

 

彼女がその楽器を吹き始めた時、私のなかで時間が止まりました。

今まで聞いたディジュリドゥ、私の想像のなかのディジュリドゥと全く違うものだったのです!ものすごくパワフルで神秘的!ディジュリドゥってこういうものだっけ?と、すっかりその音に引きこまれながら、私は自分の背骨で何かが動くのを感じていました。背骨のちょうどハートチャクラのあたりが動いたんです。チャクラについて詳しくはありませんが、エネルギーが動いたと感じました。そして8分間の演奏が終わった時、私の気持ちは本当にびっくりするほど軽くなり、身体は心地よくリラックスしていました。

 

すごーい!こんな演奏聞いたことないと思った私は彼女に色々聞きたかったし、感動したことを伝えたかったのですが、イベントがそこで終わり、みんなざわざわと思い思いに集まって会話しはじめ、彼女のもとには、さっきの、もう一回だけ歌わせてもらった若者が、今度は「ごめんよ。ごめんよ。君の時間が短くなってしまってごめんよ~。」と謝っていたので、ま、いいか、明日もあるしと、そのままカフェを後にしました。

 

宿に戻ると、満月に近い月が明るく輝いていました(私の気持ちと同じ)。月明りと一緒に真っ白のシャスタ山も輝いていて、明日も晴れそうな予感でした。

 

そうだ、明日は、スノーシューズ借りて山を登ってみよう!と急に思いつきました。昼間、山に行ったとき、旅行者がスノーシューやってたのを見ていたのです。レンタルできる場所があるみたいだなと思っていました。

 

よし、明日は山でスノーシュー!

またひとりでシャスタで一日を過ごすのが、すごく楽しみになってきていました。