だいぶ前の話になりますが、去年11月13日に、長女を出産しました。ラブラブ!

双子のときは緊急帝王切開だったので、あれよあれよという間に腹を切られおぎゃ~って感じで気がついたら子供がいたんですが、今回は自然分娩。経産婦なのに初めての経験でかなり緊張しました。

今回は夫は双子の世話ですぐ病院には来れないだろうということで、Doula(ドゥーラ)さんをお願いすることにしました。ドゥーラとは妊娠の際妊婦の面倒を見てくれるプロフェッショナルで、希望の出産方法、環境などを妊婦と医者の間に立ってコーディネートしてくれるのです。産気づいたら家に来てくれて、車で病院に連れて行ってくれて、出産に立ち会ってアフターサービスもあるので、不安解消のためにお願いする事にしました。

ちなみに料金はピンキリみたいですが、私のお願いした人は助産婦さんもしていて経験豊富だったので、$1800(20万円くらい)から$2200の間で自分の払える金額を払うというシステムでした。

私のお願いしたドゥーラさん、多分30代半ばくらいでお美しいママで、ちょっとヒッピー風で背中にすごい彫り物がしてあったり、ホメオパシーにも詳しい方でした。予定日前に自宅に来て、希望の出産についてインタビューし、それをまとめて出産プランとして書面にしてくれます。質問事項は例えば麻酔はどういうものをどのタイミングで使いたいかとか、新生児の処置はどのようにしてほしいかとかです。書面にしてくれたものは、プリントして前もって担当の産婦人科に渡しておきます。

さて、出産当日。予定日から大幅におくれていたため、人工的に破水させるということで、朝8時頃に病院へ。産婦人科の先生が外来の前に来てくれて、針でぽちっと破水させてくれました。それからはひたすら陣痛がくるのを待つ。お昼頃にはゆるい陣痛が来ました。そこでドゥーラさんに連絡し、病院へ来てもらいました。

リラックスするためにエッセンシャルオイルでマッサージしてくれたり、できるだけ人の出入りが少なくなるように看護婦さんに言ってくれたりして、私はかなりくつろぎモードに。

ドゥーラさんにもらった健康食みたいなのを食べていたら病院からも食事が出て、中身はマック&チーズ(マカロニグラタンみたいなの)と、ブロッコリーでした。妊娠糖尿病だったんだけど、出産寸前だったので炭水化物食べてもよかった模様。

午後2時頃から陣痛の感覚が短くなってきてどんどん痛くなってきましたが、まだもうちょっとということで、ドゥーラさんに付き添われて病院内の散歩をしました。陣痛はとんでもなく痛かったんですが、来るたびに彼女が背中をさすってくれたり深呼吸を促してくれたりして、かなりましになりました。

午後4時頃にはこれ以上痛いのは耐えられない~ってくらい痛くなったので、もうそろそろ麻酔をしようかということになり、分娩室へ。びっくりしたのは自力で歩かされたことだけど、そんなもんなのかな?歩けないと思ったけど、やってみたら結構いけた。

そこに麻酔科医が来て麻酔を打ってくれました。麻酔は30分くらいで効くって言われましたが、本当にすぐ効いて、まずは足の感覚がなくなって痛みもなくなって楽になってきて、そこからしばらくしてなんとなくトイレに行きたいような気になってきました。その頃には産婦人科医も来てくれたので、「トイレに行っとけばよかった」と言ったら、「大?小?」と聞かれました。今考えたらすごい会話だけど、出産のあたりってもう自分と他人の境目があいまいになるというか、恥ずかしいという感覚はどこかに行ってしまうのでした。そしてその医者の質問にも訳があり、子供が生まれるときって感覚的には大きいのが出るのと一緒なのです。そういえば同僚がそういうことを言っていたな・・・と思いつつ、おお~もうすぐ生まれるのか。とドキドキ。

麻酔が効いてて痛くないので、陣痛と陣痛の間に携帯で旦那に電話をし、「子供のご飯食べさせてから病院に赤ちゃん見に来て」とか指示してたら、医者と看護婦に大爆笑されました。確かに大股開きで分娩台に乗って、いきみの休憩中に携帯で話してるのって客観的にみたら笑えます。テレビドラマだと出産って大変そうだけど、無痛分娩はほんと楽でした。麻酔打つまでの陣痛はほんとに痛いですが・・・。

生まれた後はへその緒ついたままの状態で胸の上まで赤ちゃんを持ってこられて、いきなり授乳。生まれたばかりでお乳の吸い方を既に知ってるなんて自然の神秘だなと思いました。

そのまま分娩室で4時間くらい休ませてくれたんですが、ドゥーラさんも遅くまで残ってくれて、なかなか心強かったです。多分、何も分からない上に血が苦手な旦那に立ち会ってもらうより、十倍くらい精神的によかったと思われます。

ドゥーラに興味のある方は、かかりつけのお医者さんに紹介してもらうか、またはマザーズクラブや知人のつてで見つけるのがいいかと思います。私は行っているエステでも紹介してもらったんですが、結局産婦人科にしてもらった人にしました。できれば複数の人と面談するのがいいと思いますが、私は一人目で気があったのでその人に頼みました。
もうすぐ臨月で、お腹がだいぶ大きくなってきました。前の妊娠のときも思ったのですが、私の住むエリアだけなのか、アメリカ全体がそうなのか、見知らぬ人でも妊婦に対してとても優しいのです。

まず、普通に道を歩いているだけで話しかけられる回数が激増。知らない人から「いつ生まれるの?」「男の子?」「おめでとう」みたいに言われます。また、バスの中で席を譲ろうとしてくれる人がたくさんいたり、遠くからドアを開けて待ってくれていたり、荷物を持っていたり子供を抱いていたりすると、「大丈夫?」と声をかけてくれたり。もちろん、バスは席がなければ次のを待ちますし、荷物も他人に持ってもらおうとは思いませんが、そういうそぶりや言葉がけをしていただくだけでとても嬉しいし、その日はずっと幸せです。

これは移住してすぐ気がついたのですが、アメリカ社会って、競争社会で資本主義でギスギスしているイメージや、普通の人が銃を持っていたりと怖いイメージがありますが、実は弱者に対してとても優しい社会だと思います。

例えば、貧困層にいる人への支援が、政府のみならず、民間NGOでもたくさんあり、情報さえ知っていれば、低所得でも、仕事がなくても、かなり人間的な生活ができます。

この親切な感じは、子供に対しても同じで、赤ちゃんを連れていたら、色んな人から声をかけられて、赤ちゃんをほめてくれたりあやしてくれたりして、睡眠不足でふらふらになっている時なんかにそういう親切に出会うと、ものすごく励まされます。また、旅行に出ても、機内でトイレに行こうとしたら「赤ちゃんだっこしててあげようか」と言ってくれたり、空港で幼児連れで大量の荷物を持っていたりすると、必ず誰かが現れて荷物を運ぶのを手伝ってくれたりします。

もちろん、子供が泣きやまない時なんかは、周りの人はイライラして申し訳ないですが、そんなときに謝っても、「子供だからしょうがないよ」「うちも子供が小さいときはそうだったよ」と言う風に返してくれる人がほとんど。

日本だと子連れで公共交通機関に乗るのは肩身が狭いです。最近東京で60代の女性が乳母車が邪魔だと言って1歳の子供の頭を殴って逮捕されたというニュースもあり、やはりできるだけ人のたくさんいるところに子供は連れて行かない方がいいのかなと思ったりもしました。

社会的弱者に対して、目につく所から排除しようとしたり、「自己責任」と言ってしまうのは、いくらなんでも行き過ぎなんじゃないかな?と思います。

もちろん、アメリカがパーフェクトなわけではありません。でも、この国にはPay It Forward(厚意を次の人へ渡して行く)の考え方が浸透している気がします。自分が実際に「弱者」の立場に立ったとき、親切にしてもらえると、私も人には優しくしたい、手伝えることは手伝いたい、と思います。そういうことが循環していって、皆が相互に親切にしあえる社会が理想ですよね。
今年、メディアに取り上げて有名になったハーバードビジネススクールの研究で、ワーキングマザーの子供は大人になってから社会により適合しているというものがあります。

ハーバードによる発表はここで読めます(英語)。

研究対象となった24の国すべてで、ワーキングマザーの子供は、専業主婦の子供に比べて、大人になってから自分も働く確率が、部下のある地位についている確率、高収入である確率が高いそうです。

日本も研究対象の国に入っていて、男女平等に関しては「停滞気味の中道」という国の中にカテゴライズされています。

各国のカテゴリーは以下の通り。
自由な平等主義
デンマーク、フィンランド、ノルウェイ、スウェーデン、フランス、ドイツ、スロベニア
停滞気味の中道
イスラエル、アメリカ、イギリス、スペイン、オーストラリア、チェコ、ポーランド、スロバキア、スイス、オーストリア、日本、台湾
停滞気味の保守
チリ、ラトヴィア、メキシコ、フィリピン、ロシア

これらの国で、子供が0から14歳の間に母親がパートタイムまたはフルタイムで働いていた女性は、専業主婦に育てられた女性に比べて、責任のあるポジションにいる確率が高く、年収も高いそうです。男性に関しては母親の仕事は無関係らしいですが、ワーキングマザーに育てられた男性は、より多く家事をして家庭に参加する傾向にあるそうです。

面白いのが、ワーキングマザーに育てられた女性は、子供ができてから子供と一緒に過ごす時間が、専業主婦に育てられた女性より多くなるそうです。

研究者は、身近に母親という仕事と家庭を両立しているロールモデルがいたというのが、主な理由ではないかと書いています。

実は私の母親もワーキングマザーで、しかも60過ぎてから起業して成功したという人なのですが、確かにそういう人が身近にいるというのは大きいと思います。私の場合は、親が働きだしたのは小学生になったときなので、寂しいという気持ちはほとんどありませんでした。ただ、土日休みではなかったので、家族で遊びに行った思い出が極端に少なく、今でも家族はあまり仲良くありません。そんなわけで、私は休みのたみに子供と一緒に何かを体験するというのを非常に重視しています。

さて、この研究がニュース番組で取り上げられたとき、私はたまたま出張中でした。朝、身支度をしながら聞き流していたテレビのニュースで流れてきたのです。思わず食いついて見てしまいましたが、ちょうど「何のために子供から離れてこんなとこまで来てんのかな」と思っていたところだったので、救われたと言いますか。

この研究が何故アメリカで大きく取り上げられたかというと、実際に私のように後ろ髪引かれて罪悪感を覚えながら仕事をしている女性がたくさんいるからだと思われます。特にアメリカは土地によっては非常に保守的なので、女性が外で働いて家庭を犠牲にするのをよしと思っていない人がたくさんおり、そういう思想をバックアップする研究もたくさんあるのです。たとえば、生後3ヶ月になる前に仕事に戻ったワーキングマザーの子供は、3歳代で問題行動を起こす、など。

ただ、私が今まで様々な文献を読んで分かった事は、乳幼児には信頼できる大人が必要であるが、それが母親でなければならないことはない。父親でも、祖父母でも、信頼できる子守でもいいということです。そんな訳で、うちは週5日は夫とナニーさんがメインで子供を育て、週末は家族で子供とたっぷり遊ぶというスタイルに落ち着いています。そして、できるだけ一緒に旅行も含め色々な所に行き、実体験を通して脳のニューロンを増やしていくとともに、家族の絆を深めていけるよう努力しています。これでいいのかどうかは、子供が大きくなるまでは分かりませんが。
働くママにとって、自分が働いている間、誰に子供を見てもらうかというのは非常に重要な問題。信頼できる場所や人を見つけるのはとても大変です。

カリフォルニアでは、家族の手助けがない場合、ほとんどの人がデイケア(日本でいう保育園、ただし私立しかない)かナニーさん(フルタイムでプロとして子供を見る人)を利用します。これ以外にも、フルタイム泊まり込みでオペア(Au Pair)を雇っている人もいます。オペアというのは外国から来た若い人が、住居、食事、お小遣いと引き換えに、週45時間まで子供の面倒を見るという契約です。ヨーロッパ人が多いですが、たまに日本人のオペアさんもいるようです。

コストとしては、デイケア=~オペア<ナニーさんという感じです。デイケアは州に認可はされていますが、私立なので、このあたりの相場では月一人$1500ほど(120円換算で18万円)です。

オペアは一週間$400(4万8千円)くらいのお小遣いに加え、紹介業者に払う金額を含めると、これも月$1500ほどになります。

一番高いナニーさんは、このあたりの相場では子供一人だと時給$15(1800円)、二人だと$20(2400円)です。なので一ヶ月フルで来てもらったら、子供一人でも28万8千円になりますね。

いずれにせよ高いです。

そのコストを抑えるため、子供一人の場合、他の子供一人家庭と一緒にナニーさんを雇う、「ナニーシェア」という形を取る人もいます。そうすれば、費用が折半できるのでかなりコスト削減になります。

また、ある程度キャリアがあっても、人に預けるよう自分で育てたいといって仕事を辞めていく人もいます。

我が家の双子はナニーさんにみてもらっていますが、3人目ができたらどうなるのかな?と考え中です。2歳の双子と乳児を同時に見られるようなプロのナニーさんを探すのは大変そうです。幸運なことに、双子は日本人ナニーさんに見てもらっていたので、日本語もよく理解できます。ただ、この方が辞めてしまったため、産休明けまでにかわりのひとを探さないといけないのです。

そういう事情もあり、デイケアの見学に行ったのですが、ほとんどが自分の家で複数の子供を見ているところが多く、こんなところで週40時間も過ごすのは、いくらなんでも狭すぎないだろうか?と不安になりました。公園にすら連れて行かないというところもあり、よく動くうちの子供には無理な気がします。

ちなみに、他民族社会なので、ある特定のグループに属している人だけが恩恵を受けられることもあります。例えば、ベトナム人の場合、安いナニーさんがたくさんいるので、奥さんがベトナム系アメリカ人の同僚は時給$12で3人子供を見てもらっています。

また、中国人の同僚で、旦那さんが中国に単身赴任というご家庭では、中国本土から住み込みでナニーさんを雇って、24時間態勢で家の中の事をすべてしてもらっていました。(私が遊びに行ったときにもナニーさんが手料理を山ほど作ってくれました)。

残念ながら、日本人の私にはそういう恩恵は受けられません。しょぼん




いきなりですが、私、今年40歳です。年食ってますが、この年になってからなんと妊娠が発覚、現在第三子を妊娠中です。

夫とは大学院留学中に知り合い、6年つきあって30歳で結婚。結婚してからも私が海外に単身赴任があったりと忙しく、子づくりに関してのんびりしてたら、36になっても37になっても子供ができない。

このままでは子供のない人生なのでは?と焦り、38のときに不妊治療を決行し、双子の男の子に恵まれました。

それから、2年。双子はもうすぐ2歳になります。どんどん大きくなって言葉も話せるようになり、楽になってきたなあと思っていたら、思いがけず妊娠発覚。不妊治療までしたので、できにくい体質なんだろうと思っていたため、文字通りおったまげました。

結婚10周年、40歳の年の思いがけないプレゼントです。

そんなわけで、思いがけず子だくさんになった我が家。

2014年のアメリカ国勢調査局(Census Bureau)のデータでは、夫婦二人そろった家庭の平均子供数は1.9人でした。平均的には2人兄弟の家庭が多いという事ですね。周りを見ていても、中流家庭ではだいたい一人か二人。

特に私の住むサンフランシスコ近辺では、3人目だというとたいていの人が「大変だね~」という反応です。この地域は物価が高く、特に教育費も高いためです。

これから、そういう話も含めて、こちらの子育て、教育事情、そして労働事情などを書いて行きたいと思います。