第104話 好き、の一言が その27 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「これ、オレからのプレゼントっす。がんばってください!」

 

 そう言って手渡されたのは、なんと避妊具。おいおい、まだ気が早いって。にしても、こんなもの渡してくるとは。ってことは、坂上は経験済みなのか!?

 

 まぁ、坂上なりの応援だと思って、ありがたく受け取っとくか。でも、こんなの使う日が来るのかなぁ…。

 

 おかげでその瞬間から、オレの頭の中ではエッチな想像が広がってしまった。ったく、オレは健全な高校生なんだから。まったく、けしからん!などと自分を戒めつつも、まだまだオレも若いよなぁ、なんて考えてしまう。きっと自転車を漕ぐオレの顔は、相当にやけていたはずだ。

 

 翌日は日曜日、この日も早くから部活の練習。ここで坂上に質問してみた。

 

「坂上、お前彼女いるんだったよな。いつ会ってるんだ?部活で会う暇なんかないだろう?」

 

「ちっ、ちっ、ちっ。ゆうや先輩、オレをなめちゃいけませんよ。昨日も部活が終わってから彼女とデートしてきたっす。といっても、部活の帰りにマックに一時間位寄った程度っすけどね」

 

 部活帰りかぁ。まぁ、一時間くらいならなんとかなるだろうけど。

 

「でも、ゆっくりデートはできないだろ?」

 

「そこなんっすよねぇ…」