第103話 親孝行、したいときには その9 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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「ゆうき、連休の二日目に人に合うのって、確か9時くらいだったよな?」

 

「うん、でもあの人って時間にルーズな人なんだよなぁ」

 

「あ、あの人か」

 

 あの人とは、オレが独立のときにお世話になった児玉社長のことだ。面倒見のいい人で、オレに資金援助もしてくれたので頭が上がらないんだけど。唯一の欠点は時間にルーズなこと。今回は先手を打っておかなきゃ。ということで、早速児玉社長に電話をいれる。

 

「もしもし、児玉社長ですか。カズですけど」

 

「おぉ、カズくんか。今度、よろしく頼むよ」

 

「その件ですけど、この日久々に両親に会うことになりまして。それで十一時にはこっちを出たいんですよ。そこでお願いなんですけど…」

 

 ここまで言ったところ、今度は児玉社長からすかさずこんな言葉が。

 

「おぉ、それはいいことだ。カズくん、親孝行はしなきゃいけないよ。君もずっと親に心配かけていたんだろう。そもそも親孝行とはだねぇ…」

 

 あ、この人、もう一つ欠点があった。話し始めると長いんだよなぁ。時間には遅れてくる上に話が長くなって、結局予想以上に時間を食われてしまう。勘弁してくれって感じだな。

 

 電話での話ですらこうなのだから。適当にあいづちを打っておくか。

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