第100話 盗人の心 その7 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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 まずは周りを見回す。確かにシゲさんが言うようにセキュリティは甘そうだな。カフェ・シェリーはこのビルの二階にあるのか。ビル自体にも監視カメラはついていない。だが、通りにはカメラがある。けれど通りの端の方を歩けば死角になりそうだ。

 

 ビルに入り階段を上がる。通りから階段を上がるところは丸見え。ってことは見張りが必要になりそうだ。そんなことを考えながら店の扉の前に到着。そしてドアを開ける。

 

カラン・コロン・カラン

 

 カウベルの音。この音にはちょっと驚いた。まぁ夜であれば音を聞く人もいないだろうが、ここは注意が必要だな。

 

「いらっしゃいませ」

 

 すぐに女性の声が聞こえる。続けて

 

「いらっしゃいませ」

 

 低い男性の声が別方向から聞こえる。どうやらウエイトレスとマスターの声といったようだ。だが、次の瞬間

 

「あ、あなたは」

 

 その言葉にビクッとした。盗人はこういう言葉に弱い。オレの正体を知っている人がいるんじゃねぇかと思ってしまうからだ。だが、声の方向を向いたときにオレ自信もまさか同じ言葉を吐くとは。

 

「えっ、あなたは」

 

 なんと、店のカウンターに立っていたのは毎朝すれ違うジョギングの中年男性であった。これにはさすがに驚いた。

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