第99話 望みのままに その24 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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 早くと言われても、なかなか勇気が出ない。私の頭の中は、すぐに最悪のことを考えてしまうクセができてしまっているんだから。そうすることで、私は自分の危険を回避してきた。先に最悪のことを考えておけば、それをしないようにすればいいだけなんだから。 

 

「でも、本当にそれでいいの?」

 

 えっ、今の、だれ? 

 

 何か聞こえた気がした。キョロキョロとあたりを見回す。けれど、周りにいる人の声じゃない。 

 

「本当に今のままでいたいの?」 

 

 もう一度声が聞こえた。その声は、耳から聞こえたものじゃない。私の心の奥からでてきたもの。そう、私がなりたいと思っていた光り輝く存在。その種となっているものから聞こえてきたものだ。 

 

 さっき、私はシェリー・ブレンドを飲んで光り輝く存在になりたいって思っていた。だったらどうすればいいのか。そう思った瞬間、手のほうが先に動いていた。

 

ゴクッ 

 

 飲んだ瞬間、一瞬の強い苦味。けれどその後には味わったことのない、甘くて深くて美味しい味が口いっぱいに広がっていく。そうか、一瞬の試練は乗り越えなきゃいけないけれど、その次には私が欲しがっている、理想の世界が広がっているんだ。だから、痛みに耐えなきゃいけないんだ。

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