第99話 望みのままに その19 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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「あの感覚ってなんなの?」

 

「あ、えっと…」

 

 咲良の問いに対して、私はすぐに答えることができなかった。だって、あんな夢を見ただなんて恥ずかしくて言えない。きっとバカにされるに決まっている。

 

「どんな感覚かはわからないけれど。今感じたものがのぞみさんが心の奥底で望んでいることなのは間違いないですよ」

 

 心の奥底で望んでいるもの、確かに私は光り輝く存在になりたい。かなえの影で、いつも比較をされながら育ってきた私にとって、自分が物語の主人公のようにふるまってみたい。その願望があるのは間違いない。

 

「マイさん、私、そうなれるんでしょうか?光り輝く存在になれるんでしょうか?」

 

「そうか、のぞみさんは光り輝く存在になりたいんだね」

 

 マイさんの言葉に、私は首を縦に振った。

 

「でも、どうして私の恋愛願望とか、のぞみの願望がコーヒーを飲んでわかっちゃうんですか?」

 

「実はね、このシェリー・ブレンドには魔法がかかっているんだよ」

 

「ま、魔法!?」

 

 マスターの言葉に、咲良は目を丸くした。私は逆に、魔法という言葉を聞いて胸がワクワクしてきた。まさに私が小説で描いているような世界じゃない。それが本当にあるなんて、まさに夢のようだ。

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