第99話 望みのままに その9 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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「咲良、あわてないで電話は切らないで。今すぐそっちに行くから!」

 

 私は電話をイヤホンにして、急いで自転車で三原町へと向かった。ここからだと二、三分で着くはずだ。

 

「咲良、何から逃げてるの?」

 

 私は咲良がなにかに追われていると推測。

 

「なんか、なんかへんな人が私を…」

 

 やっぱりそうか。となると、今は咲良を安全なところへ誘導させるのが先だ。でも、あのあたりで逃げられるところと言えば…

 

「きゃぁぁっ!」

 

 電話の向こうで叫び声が。

 

「さくら、さくらぁっ!」

 

 一体どこにいるのよ。三原町の住宅街には着いたけど、まだどこにいるのか、さっぱりわからない。いや、あそこだ!

 

 よく見ると、なんだか黒い雲のようなものがたちこめているところがある。咲良はきっとあそこにいるに違いない。私はとにかく自転車を走らせた。そしてその場所にたどり着いたときに、私は目を覆った。

 

 咲良をつけ回していたのは、この世のものとは思えない異形の怪物。姿形は蜘蛛のようだが、足が何十本もある。そこに人の顔がついている。な、なによ、これは。

 

 その異形の怪物が、すでに咲良の胴体を真っ二つに食いちぎっている。あたりは血の海。そして、その怪物は今度は私の方を向く。

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