第97話 握る手、離す手 その14 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


テーマ:

 私は心配になってのりちゃんにそう尋ねた。

 

「大丈夫、おばちゃん、心配しないで。でもね、私を守ってくれるたくましい王子様が現れてくれるとうれしいんだけどなぁ」

 

 のりちゃん、あさっての方を向いて目をキラキラ輝かせている。まさにおとぎ話の世界って感じ。でも、のりちゃんを守ってくれるような力強くてたくましいボーイフレンドがいてくれるとありがたいのは間違いない。

 

「でも不思議よね。コーヒーを飲んだだけで私の願望がわかっちゃうなんて」

 

「ふふふ、このシェリー・ブレンドは飲んだ人が今望んでいる味がするの。人によってはそれを映像で見せてくれることもあるのよ」

 

 マイさんはそう説明してくれる。なるほど、それで魔法のコーヒーなのか。

 

「おばちゃんはどんな味がしたの?」

 

 ふいにのりちゃんが私に質問してくる。

 

「えっ、私?えっと、私は…」

 

 さっきの味を思い出そうとする。すると、不思議と舌の上でその味が再現されてくる。それをそのまま口にする。

 

「最初はすごい香りとコクがあった。けれどすぐにそれが何処かへ飛んでいってしまって。あれって思った瞬間に、今度は全く違う香りとコクを感じたの。新しい味のほうが私の気持ちを高めてくれた…」

日向ひなたさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス