第97話 握る手、離す手 その13 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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「えぇっ、コーヒーってこんな味したんだ。びっくり」

 

 隣でそう叫ぶのりちゃんの声で、ハッと我に返った。

 

「どんな味がしたの?」

 

 マイさんがのりちゃんにやさしい声で尋ねる。

 

「あのね、最初はおいしいコーヒーだなって感じたの。でも、おいしいだけじゃなくて、なんていうんだろう、力強さっていうか、パンチ力っていうか。グイグイ押してくるような強さを感じたんだ。でも、強引ってわけじゃない。私を守ってくれる強さ、そう、そんな言葉がぴったりだった」

 

「ということは、あなたが望んでいるのは、あなたを守ってくれるような力強さがほしいってことなのかもしれないね」

 

「私を守ってくれる力強さ。うん、まさにその言葉ぴったりかも」

 

「守ってくれるって、のりちゃん、何か守られたいことでもあったの?」

 

「うん、実はね、今ちょっといじめっぽいことされてるんだ。まぁ、相手は一人だし無視してればいいだけのことなんだけど」

 

 それは初耳だった。

 

「どんなことされているの?」

 

「大したことないよ。相手が私のことを睨んできたり、無視したりしてるだけだから。まぁ、この前プリントを破かれたのは困ったけど」

 

「大変じゃない。そのこと、先生には相談したの?」

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