第95話 働いたら負け その15 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


テーマ:

「かしこまりました」

 

 そう言うとマスターはコーヒーを淹れる準備を始めた。

 

「シンジ、お前は働くってどういうことだと思っている?」

 

「働く?そんなことやったら負けだと思っている。俺は人に使われるなんてゴメンだ。そもそも、金を稼ぐのにどうして人の命令を聞きながら動かなきゃいけねぇんだ」

 

「なるほど、働くということは金を稼ぐこと、と捉えているんだな」

 

「違うのかよ?ユウイチだって会社勤めして働いてるじゃねぇか」

 

「うん、会社には行っている。けれど、お金を稼ぐために会社で働いているわけじゃない」

 

「じゃぁ、何のために会社に行ったり、イベントのプロデュースなんてことをやってるんだよ?」

 

 どう考えてもユウイチの言っていることが理解できない。ミキちゃんはどうしてこんな男についていこうと思ったんだ?まぁ、オレより少しくらい顔がいいのは認めるが。

 

「シンジくん、私ね、ユウイチの考え方に共感したから一緒にいるの。ユウイチは人のために働いているのよ。働くっていう言葉の意味を知ったら、シンジくんもわかると思うの」

 

 働くっていう言葉の意味?なんだ、それは。

 

「俺はその言葉の意味をマスターから教えてもらってから考え方が変わったんだ」

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