第94話 小さな約束 その13 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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「谷川さんって、本当に家族思いなのですね」

 

 えっ、聞き間違いか?どうして私が家族思いなのだ?どう考えてもその逆だろう。仕事、仕事で家族のことなんて放ったらかしなのに。

 

 羽賀さんはさらに言葉を続けた。

 

「谷川さんは家族のことを考えて、仕事を一生懸命取り組んでいる。それがよく伝わってきました。谷川さん自身の趣味のためでもなく、単にお金を儲けようとしているのでもない。だからこそ、つい仕事に意識を向けがちになってしまっている。これにあと一歩、家族との交流の時間があれば申し分ないと思うのですが」

 

「たしかにそうですね。けれど、どうすれば家族との時間がとれるのか…」

 

 そう思ったときに、ちょうどコーヒーがやってきた。

 

「シェリーブレンドです。飲んだらぜひ、どんな味がしたかを教えて下さいね」

 

 マイさんだったな。美人にそう言われると、味の感想を言わなきゃいけないと思ってしまうな。けれど変わっているな。このお店ではコーヒーの味のアンケートでもとっているのかな?

 

「ではいただきます」

 

 早速コーヒーカップを手に取る。いい香りだ。そしてゆっくりとその黒くて熱い液体を口の中に流し込む。うん、おいしい。いや、おいしいだけではない。

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