第94話 小さな約束 その11 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


テーマ:

「なるほど、娘さんが谷川さんのお仕事を理解してくれない。それに関して谷川さんは娘さんがワガママだと感じているのですね」

 

「はい。私は家族のために、家族の未来の為に仕事を一生懸命頑張っています。娘は習い事でピアノをやっていますし、塾にも通っています。そのお金を稼ぐために、私は仕事に取り組んでいるのです」

 

「それに関して、奥さんは何かおっしゃっていますか?」

 

「妻、ですか。妻とも最近あまり会話をしていませんね。私がゆっくりと家にいないもので。あんなふうにワガママに育ててしまった妻にも責任はあると思うのですが」

 

 私はお冷のグラスを手にして、そうつぶやいた。そういえば妻と最近きちんと会話をしていない。申し訳ないとは思うが、仕事が優先なのは間違いないのだから。

 

「ちょっと質問を変えますね。谷川さんって将来どのような家庭をつくりたいって思っていますか?」

 

「将来、ですか。まぁ娘をそれなりの中学、高校、そして大学に行かせて、あとは妻とのんびり暮らす。そんなところですかね。そのために、娘にはぜひ私立の中学に合格してほしいんです。ここなら高校の進学もそれほど心配ないし」

 

 これは前々から思っていたことである。

日向ひなたさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス