第94話 小さな約束 その9 | 【小説】カフェ・シェリー

【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


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 羽賀さんが誘ってくれた喫茶店は、ここから五分とかからないところにあるらしい。移動しながら先程の話の続きを、と思っていたのだが、なぜか羽賀さんは自分のことを話し始めた。

 

「へぇ、じゃぁ自転車でいつも移動されてるのですか」

 

「はい、トレーニングを兼ねていますし、エコだし、それに雨の日じゃなければ市内はこの方が早く移動できますからね」

 

「雨の日はどうしているのですか?」

 

「ボクは車を持たないので、バスやタクシーを使ったりしています。あ、ここです」

 

 案内されたのは、街中の路地にあるビルの二階。この路地は変わっていて、パステル色のタイルに敷き詰められた、見た目が明るい通りである。この通りの存在は知っていたが、あまり用事がないのでなかなか通ることがなかった。こんなところに喫茶店があっただなんて。

 

カラン・コロン・カラン

 

 心地よいカウベルの音が私達を出迎えてくれた。

 

「いらっしゃいませ」

 

 同時に聞こえてくる女性の声。

 

「マイちゃん、こんにちは」

 

「あ、羽賀さん、いらっしゃい」

 

「今日はコーチングで使わせてもらうよ」

 

「じゃぁ、真ん中のテーブル席がいいですね。こちらへどうぞ」

 

 案内されたのは、店の真ん中にある三人がけの席。

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