【小説】カフェ・シェリー

ここは喫茶店、カフェ・シェリー。
登場するのは40代の渋いマスターと20代の店員マイ、そして主人公はお客様であるあなた。
そこで体験する、魔法のコーヒー「シェリー・ブレンド」の味で、お客様は何かに気づき、そして希望を持っていく。
そんな喫茶店のお話です。


テーマ:

「もうヤダ、なんで私、こんなにお父さんに似ているのよっ!」

 

 まくらを思いっきり壁に投げつける。だからといって気持ちが晴れるわけではない。むしろ、よけいに泣けてくる。この容姿、この性格、私が一番嫌いなお父さんとどうしてそっくりになっちゃったの。そのおかげで、私の部はバラバラになっちゃうじゃない。

 

「紗季菜、ちょっといいか?」

 

 ノックの音とともに、お父さんの声。けれど返事をしたくない。私が反応しないから、お父さんは一人でドアの向こうでしゃべり始めた。

 

「ウチに来たイケメンの後輩、彼には言っておいたぞ。確かにライティングを意識した色づかい、これは大切なことだ。けれど、何を目的として作っているのか。そこを大切にしないといけないってな。今回の場合、体育館に飾るという、目の前だけのことを考えていると、人を感動させる作品にはならないんじゃないかって、お父さんは思うんだよな」

 

 悔しいけれど、お父さんと私の考え方は同じだ。こんなところまで似なくていいのに。

 

「それでもイケメン君は自分の主張を崩さなかったなぁ。あんなのを相手にするお前も、部長として大変だな。とにかく頑張れよ」

 

「うん」

 

 ちょっとだけうれしかった。

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