迷っている暇なんかない
前だけ見て進む
明日は今日よりも良い日になることを信じてる
かつて夢見る少年だったこのオレも今ではFather
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この詩が好きで、前回のラジオの収録の時にお送りした曲です。
その時々の自分の心境が歌になっていると、どうしても心は引っ張られます。
日本の歌のよいところは、歌詞が理解できることと、少し考えることで、行間に潜む体温まで浮かび上がらせることができるところです。
そう思うと、いい時代を過ごさせてもらったもの、と感慨にふけります。
それは、ファッションに於いても同じ。
『メンズクラブ』バリバリの頃。
トラッドとデザイナーズが拮抗していた頃のことですかね。
私にとっての最右翼は菊池武夫の『バルビッシュ』です。
これは、トラッドとデザイナーズのいいとこどりのシルエットでした。
そうして、しばらくして、今度は『モールラック』。
VANやKent、ブルックスにラルフローレンは定番中の定番でした。
ま、救われたのは、少し大きめのつくりだったこと。
年月を経て太った今でも、当時の『バルビッシュ』のジャケットと『モールラック』のスタジャンをなんとか着れる悦びに浸っています。
新たなモノを買い足すことも多い中、このところのジャケットやパンツの異変に違和感を持っています。
どのブランドも、今ではS、M、L表示。
もう、A4、AB4等の表示を見かけなくなりました。
それと、もうひとつ引っかかるのは、着丈の異常な短さです。
脚を長く見せる効果を意識してか、ヒップが半分ほどジャケットの裾からはみ出しています。
これは頂けません。
また、裾の仕上げをお願いすると、短めが流行りです、と店員の方が……。
ま、ね、流行がどうのよりも、好みの長さで穿きたいものです。
ダブルであれば、靴の甲の上で軽く1クッション、後ろ側はソールにかかる程度。
ま、その長さが、10代の終わりからずっと変わらない好みの長さです。
結局、人にどう思われたい、かではなく、自分がどうしたいか、が思考や行動の基準。
それが、自分にとっての定規であり、天秤のようにも思います。
ま、最低限、手が後ろに回るようなことをしなければ、気持ちよく生きていけるのではないですかね。
ま、今はアルトサックスに発熱中。
2年前、師匠と出会い、今では、同じ空気を吸えるだけでしあわせを感じます。
そんなことを思いつつ、頭に浮かぶのが、アイビー・ルックの粋なケニー・ドーハムのアルバム。
マドラスチェックのジャケットにボタンダウンのシャツ。
どんな色合いなのだろう、と気になるところ満載です。

