入り口を変えることで、これまでの観念自体が変わることはしばしば。
そんなことで、好きになった曲が2曲あります。
それは、『ニアネス・オブ・ユー』と『アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン』です。
『ニアネス・オブ・ユー』を初めて聴いたのは10代の頃。
ヘレン・メリルでした。
彼女の歌を聴いて、あまりピンとこなかった楽曲です。
彼女の歌では、やっぱり『ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ』でしょう。
この曲を大人になって、バーバラ・マンドレルが歌うこの曲を聴いてからはすっかり虜です。
また、『アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン』を初めて聴いたのは、これも若い頃。
シナトラとベイシーのライブ盤です。
この曲も、当時ピンとこなかったのでしょう。
ま、年齢もある程度関係しているのかもしれませんが……。
この曲がお気に入りになったのは、カーリー・サイモンのおかげです。
アルバム『ムーンライト・セレナーデ』の中に収録されています。
軽快なジャズ寄りのアレンジに乗って、彼女のハスキーで腰の据わった歌声が曲に艶を乗せます。
もう、今ではA5クラスの和牛的存在です。
不思議に思うのは、二人ともカントリー歌手です。
そのジャンルの違いによるアプローチが魅力的な側面を浮かび上がらせるのかもしれません。
ある意味、濁り酒と同じですかね。
瓶の中身は同じお酒。
うわずみと澱。
それらが合わさって、そのお酒の銘柄に……。
そう思うと、本音と建前が織りなされる人間模様も同じなのかも、と辺境的な私の頭は思ってしまいます。
『いいところ』と『そうでないところ』。
それらが合わさって、様々な銘柄の人柄を作り出す……。
多少は大目に見ることは、どんなことにも必要なこと。
ま、そんな曲もありますけどね。
Take It Easy...
カントリーの雄、初めて聴いたのは中学生の頃。
あの頃は、レコードを宝物のように大切に扱っていました。
懐かしいですね。

