人との繋がりについて、年を追うごとに大切さが身に染みてきます。

行動半径を大きくも小さくもする人との繋がり……。

お金を支払って手に入れるカシミアのセーターとはわけが違います。

時には、気持ちのスレ違いが軋轢を生み、疎んじてしまうっこともあるかも知れません。

でも、本当のところは、心の底では繋がっているものです。

 

今回、年明け早々、風邪をひいたことで思うのは、鬱になった28歳くらいのこと。

もう、実際には、いつ、どんな、だったか、を忘れてしまっています。

でも、強烈に覚えているのは、世の中の動きから自分だけ取り残されてしまっているという恐怖感と、果てしない虚無感。

流れから外れた淀みの中で、ただ同じ場所をぐるぐると漂っている落ち葉のような……。

あの頃、よく読んだのがユングの心理学についての本と歎異抄。

自分の魅力のなさに打ちのめされ、どうにも前に進むことが出来ずにいたのを覚えています。

 

今、商売をさせて頂いていることへの感謝。

取引先やお得意先。

また、気持ちを同じくした同士によって成り立つ日々。

人に助けられたからこそわかる温もり。

 

神様と言うと語弊があるかも知れません。

でも、何か大きな作用によって生かされているのは確かなような気がします。

因果応報、輪廻転生……。

これまで自分が目にしてきた事実は、そうした事象を確実に裏付けてくれます。

――

誰が悪いのかを言いあてて どうすればいいかを書きたてて
評論家やカウンセラーは米を買う
迷える子羊は彼らほど賢い者はいないと思う
あとをついてさえ行けば なんとかなると思う
見えることとそれができることは 別ものだよと米を買う

――

中島みゆきさんの歌詞の一部です。

また、

――

俺といえば 昔のつまらない事件を
未だに忘れられずに
逃げるたびに嘘を覚えて その嘘からまた逃げてきた

俺たちは ただの魚さ
河の流れまでは 変えられない
流れてゆく 海もまたひとつだけ
だから その日だけが俺たちのすべて

――

柳ジョージさんの歌詞の一部です。

 

若い頃から、基本的には変わらないものの、ずっと思っていることがあります。

それは、自分の心情を他人に左右されたくない、ということ。

頑なに意地を張るわけではなく、自分がしたいこととできることをしっかりと判断できる強さを身に着けていきたいと思います。

そう思うと、そろそろ頑固ジジィの域に足を踏み入れてしまっているのかもしれませんが……。

ホホホ……。

 

一昨年の1月にお得意先のカフェで行われたジャズセッションがトリガーとなって取り組み始めたアルトサックス。

もう、2年です。

新たな人との繋がりが出来たことをうれしく思うと同時に感謝の念が絶えません。

自分はつくづくツイテいるな、と心から思います。

ジャズセッションに何度か挑戦しつつも、まだまだ不完全。

スケールだってまともに吹けない始末です。

今回の風邪は、おそらくちょっとひと休みしろよ、と言われている気がします。

焦ったところで気持ちばかり無駄に消費してしまうもの。

少しずつ、着実に歩む大切さを教わったように思います。

目的地を掌握している今、あとはじっくりと作戦を練って踏み込むだけです。

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』を通じて、いろんなことを勉強していこうと思います。