京都タワーが、開業60周年とのこと。

私が生まれるほんの少し前ですね。

小学校の修学旅行で上ったくらいな記憶です。

 

社会人になったのがバブル後期。

ハナ金、ハナ木と称し、勢い込んで遊んでいたものです。

土日ともなれば、バイクでツーリング。

給料だけでは足りないので、週に2、3回、カフェバーや酒屋さんでバイトしていたのを覚えています。

そんなあの頃の――もう心の奥に澱となって沈んでいる記憶を、ファッションや音楽がトリガーとなって、心地よく蘇らせてくれます。

その中心は、ぼやけたまま。

その周りを包むように、鮮やかな色彩が拡がっています。

記憶とは、大抵はそんなもののように思います。

事実をを願いにも似たバイアスで豊かに歪曲しているような……。

 

百貨店への週末の販売応援。

若手の営業の臨時収入です。

1日1万円。

いつもは立たないフロアー。

年季の入ったマネキンのお姐さまに、

『そこに立っていたらジャマよ』

と初めこそ言われたものです。

 

喫煙のため、屋上へ。

エレベーターに乗ると、エレベーター・ガールがいらっしゃいます。

少し歳上の女の子から艶の乗った女性まで。

ま、いつも緊張したものです。

あの『特別感』は、当時の私にとって、ある意味非現実の空間のひとつでした。

 

いつからかそんな空間は消え、今では自分でボタンを押すのが当たり前。

今では、レジでも人と関わらないことがしばしば。

仕事に対しての意欲やスキルを育む環境が減りつつあるように思います。

面倒なことをすることで、人は経験を積み、それが自信へと繋がっていくように思うのですが、どうですかね。

手軽さや便利さを追求すればするほど、大切なモノを置き去りにしていくような気がします。

ホホホ……。

歳ですかね。

『告白 アイ・ラヴ・ユー』を聴くと、この人は自分の特性を理解し、精一杯発揮しているように思います。

うまいな~、と唸らせるアーティストのひとり。

『コブラ』の主題歌と挿入歌を聴いた時、その思いはさらに増幅。

彼女の魅力を余すことなく引き出す楽曲を作り上げる大野雄二さんには脱帽です。

何枚かCDを持っていますが、都会的で粋な感じ。

同じようなことをピアニストの金谷さんにも思います。

今年のGWでの演奏。

ベースの光岡さん、ドラムスの弦牧さんの魅力を遺憾なく発揮させる演奏に、私も家内も完全にノックアウト。

ベースは弾みうねります。

ドラムスは怒涛のよう。

人の魅力をを引き出す能力……。

それがプロだとするのなら、私も見習わないといけません。

次を担う者をしっかりと育て上げないと……。

 

今、そんなことを思いつつ、リッキー&960ポンドのアルバムを流しています。

もちろん、ボーカルは前野曜子さん。

このアルバムも、お気に入りの1枚です。