揺れる髪 せつなく……

 

あの頃は、商品名を歌詞に入れることは、どうやらご法度。

山口百恵だって、紅白では『真っ赤なクルマ』と歌詞を替えて歌わされたほど。

中学校の校則のように、ほぼ意味をなさない決め事だったのでしょう。

この曲を持って、矢沢永吉は日本放送協会(ま、NHKですわな)から締め出しを喰らったとのこと。

ま、1980年にリリースされたライブ『The Rock』で明言しています。

当時、私は中学生。

どういうわけか、このライブアルバムと一緒に、アース、ウィンド&ファイアーのアルバム『天空の女神』を購入しました。

レイフ・ギャレット版オリジナルの『哀愁でいと』とか……。

 

そう思うと、下地はこの頃から様々な糸で織りなしていたのかもしれません。

ただ、思いの満たし方がわからなかっただけのように思います。

衝動的な思いつきでは、方向性さえ見つけることができません。

どんなことでも同じですね。

適切な教科書を手にしたり、目的に見合う先生に出会うことで道が開けます。

中学生や高校生の頃に買っていたコミックや雑誌は、家を出ると母親によって処分。

ずっと持ち歩いていた『メンズクラブ』2冊とレコードは、今も大切に保管しています。

 

アナログプレーヤーでレコードを聴く……。

ま、懐古趣味と言われればそれまでのこと。

でも、あの頃とは全く違う気持ちになります。

当時は、盤をひっくり返すのが面倒だと思い、カセットに録音したものでした。

今は、ターンテーブルを回しただけで、芳醇な香りが立ち昇ってくるような気がします。

そんな柔らかな居心地にさせてくれるケイティ・メルアの声。

デビュー当時と比べ、余分なものを削ぎ落したぶん、彼女の内面から溢れ出る想いが心に届きます。

いいですね。

おススメです。