時代の趨勢とともに色褪せていく記憶の数々……。

日に焼けたポスターのようなもの。

肌寒くなると、ふとそんなことを考える機会が増えていきます。

ま、歳のせいですかね。

棚に並んでいる音楽やDVD、使い慣れている小物や見慣れた置物の影に身を潜めている昭和の残滓。

時々、掘り起こしては追想にふけってみたり、と……。

今や新車には、CDプレーヤーの装備さえないのが主流。

そうなると、BOSEのスピーカーに載せ替える意味さえなくなります。

もう、舶来品に憧れを乗せる時代は遠い過去のこと。

一抹の寂しさが胸を掠めます。

今ある手持ちのモノを大切に使っていきたいという思いが必然的に強くなるばかり……。

昨夜は、ミュージック・テープを聴いていました。

ま、今の若い人たちには、すでに馴染みのないもののひとつ。

音質は二の次。

アナログ特有の空気感は、A5ランクのステーキを一口頬張ったときの悦びに似ている気がします。

今日のような、澄んだ青空を夢描いていた高校生の頃、大人への憧れを乗せて聴いていたように思います。

アンプはONKYO、スピーカーはDENONです。

ホホホ……。