ようやく雨雲も去り、今日は穏やかな陽射しが降り注いでいます。

とは言いつつも、薄いねずみ色の雲は勝機を窺っている様子。
ま、ね、今日は、昔で言う体育の日。
朝は寒くても、日が昇るにつれ暑くなったものです。
そして、今日は、ようやくバイクを引き取りに……。
今朝、倉庫を整理し、とりあえず置き場所を確保。
人生最後の新車ということで、予約してから6か月。
悦び一入かと思っていましたが、微妙な感じです。
今は、すべてが中途半端。
何も成し得ていない自分にもどかしさが募ります。
若い頃、いや、もう少しだけ若かった頃だと、放射的に広がる興味に比例するように、それぞれの熱量はもたつきながらも加速していったように思います。
40代の終わりから50代の初めあたり。
『若い頃の趣味の焼き直し』という観点から、バイクはリターンライダーとして、社交ダンスは基本から習ってみたり……。
アルトサックスも同じ。
20代前半に楽器屋さんで何気なく見ていて衝動買い。
音楽教室に通うこともなく、荒川の河川敷の堤防で夜友達と吹いたぐらいです。
しばらくしたら、ずっと先の隣のほうで、いつの間にかトランペットの音が聞こえるようになったのを覚えています。
曲は、耳コピのモノばかり。
いつの記憶かは忘れたものの、桃井かおりさんが、映画かドラマで、クラブでの歌手の役をしていて、そこで『素敵なあなた』を気怠げに妖しく歌っていたのがとても印象的でした。
ベニー・グッドマン的ではなく、紫の煙とアルコールの匂いが立ち込めた小さなクラブ。
70年代の猥雑さそのものの雰囲気。
それが脳裏に焼き付いていて、それを真似ては吹いたりしていました。
ま、ろくでもないですがね……。
ホホホ……。
家内の叔父が代表取締役をしていたこともあり、そこの音楽教室に通いはじめたのがそもそも。
ま、高校生の頃は、そのレコード屋さんには輸入盤をちょくちょくお世話になったものです。
でも、1年ほどで退会……。
が、昨年の1月に微妙なジャズセッションを目の当たりにして、2月からは毎週1度レンタルスタジオで練習。
意欲に加速がつきました。
今は、『もっともっと』の心境です。
いつかは、自分が思い描くような演奏が、いつでもできるようなアルトサックス吹きになってみたいものです。
ま、夢のようなことではありますが……。
どんなことでも同じですが、一歩を踏み出さないと、どこにも行けないというのが実際のところです。
同じところをグルグル回るようなことだけは、基本的には避けたいものです。
ま、年を追う、ということは自分の中の宇宙により拡がりが出る、ということですかね。
不思議なことと腑に落ちることが混在し、まさに猥雑さを極めた70年代後半から80年代前半あたり……。
人間味に溢れていたあの頃を懐かしく思ったりします。
スプリングスティーンのアイドル的存在だったゲイリーu.s.ボンド。
スプリングスティーンの熱い後押しで製作されたレコード。
リアルタイムで買ったのは高校生の頃のこと。
憧憬と尊敬が滲み出た音楽に、当時も今も聴いていて笑顔になります。
生きている自体、いつだって通過点。
どれだけ密度の高い出会いを経験するか、でこれからはいくらだって変わるもの。
いくつも行先を擁するターミナルで、どの路線を選択するか……。
答えは、いつだって自分の心の中にあるのかもしれませんね。


