かなりの雨。

車から出る時でさえびっしょりです。

 

このところ、ずいぶん前にNHK-FMから録音した『青春アドベンチャー』や『FMシアター』を聴いています。

 

若い頃、ラジオドラマが好きで、よく聴いたものです。

私にとって、小説への入り口みたいな感覚だった気がします。

 

大切なのは臨場感。

表現による具体性の精度。

同じ赤色でも、コカ・コーラの赤もあれば、mazda3の赤もあります。

構成や音響はとても大切な要素。

セリフ回しに抑揚と……。

 

そんなことを思っていると、コーラスワークが飛び抜けてクールなのは、日本ではやっぱり浜田省吾ですかね。

コーラスにこだわっているミュージシャンは多くいらっしゃいますが、コーラス全体の構成は聴いていても心地いいくらいに綺麗に収まっています。

 

例えば、ちょっと寂しげな曲では助長するようなイメージで。

明るい感じのモノでは弾みをつけて飛び出すような感じ。

 

初めて浜ショーの曲に触れたのは中学生の頃。

ラジオのリクエスト番組で流れてきた『ラストショー』です。

それ以来、アルバムを遡って、よくレコードを聴いたものです。

 

『Sand Castle』に収録されている古い曲『君に会うまでは』。

たまりませんね。

 

先日、お得意様に浜田省吾の個人的にいいヤツをまとめたCDを差し上げました。

選りすぐりの2枚組です。

 

1枚目の締めくくりは『ミッドナイト・ブルートレイン』。

2枚目の締めくくりはデビューした頃の『路地裏の少年』のシングル・バージョン。

 

――

額が床に付くくらい頭を下げ毎日働いてる

家族の明日を案じて 子供達に未来を託して

傷ついてる暇なんか無い 前だけ見て進む

スーパーマンじゃない

ヒーローでもない

疲れ たどり着いた家 窓の明かり まるでダイヤモンド

I am a father

――

 

この『疲れ たどり着いた家 窓の明かり まるでダイヤモンド』という歌詞の件。

初めて聴いた時、心の襞にピタリと貼りつきました。

 

会社から家へと帰る毎日。

ギアをバックに入れ、駐車場に向かう時、カーテンに温かく映し出されたリビングの窓を横目に、どういう訳か安心したものです。

 

それ以来、『I am a father』が一番のお気に入りになりました。