今朝、車のボンネットに桜の花びらがくっついていました。

そろそろ桜も終わりですかね。

入学式一歩手前、少し強めの南風が容赦なく花びらをさらっていきます。

 

意思とは無関係に取り巻く環境。

そこにはジレンマや葛藤が常に心につきまといます。

 

ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、まさにそんな状況で生まれた作品です。

名声を取り戻した輝かしい作品ではあるものの、本当に彼が表現したいものではなかったのかもしれません。

アシュケナージの指揮によるこのアルバムが私はいちばん好きです。

音楽評論家たちに『名盤』と言われるアルバムがありますが、それは人気飲食店の評判と同じことのように思います。

実際のところ、『うまい、まずい』ではなく、『合う、合わない』という個人の感性によるところが大きいのではないですかね。

 

当時、ソ連の社会状況に翻弄されたショスタコーヴィチ。

思い通りにはいかないと嘆くのではなく、彼ほど強靭ではないにせよ、ある程度のしなやかさを備えた『逆境を跳ね返す力』というものを蓄えていきたいと思います。