おおしろいもので、どんなこともうまくいきそうでいかないもの。
どういうわけか、多少の引っ掛かりが出てきてしまいます。
年を追うごとにからだの機能は低下の一途……。
車も同じ。
新車で買っても、同じように部品が劣化したり、消耗していくことはありません。
場所によってケアする内容が変わっていくもの。
卒業式を終えると、今度は桜並木をくぐりぬけ入学式。
振り返って思うのは、可能性という言葉でこれからのことへの不安を払拭していたような……
不確かな保険をみだりに掲げては自分を納得させていたように思います。
いいことも、そうでないことも、すべては因果応報の作用するところ。
手あたり次第に得をしようと望めば望むほど、本当に自分が欲しい賽の目からは遠ざかっていくような気がします。
正しいと思えることへの不信感は、どんな時も微かにつき纏うもの。
そう思うと、やっぱり、自分は何がしたいのか、ということを明確にしていく必要に迫られます。
そのあたりが難しくて、あの頃はモラトリアムの期間が欲しかったのかもしれません。
でも、その意識は、あの頃よりもずいぶんと未来にいる今でも、実質的にはあまり変わっていないような気もします。
成長するってことは、簡単にはいかないものですね。
スプリングスティーンの1stアルバムに収録されている『Growin' Up~成長するってこと』という曲。
針を下ろし、寝転んで、歌詞カードを広げては目で追ったものです。
サリンジャーに興味を持ったのもそのあたり。
あまりにも無防備だった高校生の頃の記憶です。


