嗜好や趣向の変化は、時として自分さえ惑わせてしまいます。

以前はこんな感じが好きだったはずなのに、今ではちょっとしんどいかも的な……。

 

先日、道の駅で行われた無料のジャズ・セッション。

先月、お客様のカフェにて演奏されたJazz In Tangoの方々の演奏です。

行けなかったので、夜に配信を観ました。

 

2月の定番曲ですかね。

『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』を鉄壁のリズムセクションとともにセッション参加者が演奏されていました。

しかも、アルトサックスで……。

 

印象としては強烈で、90年代のジェシー・デイヴィスや50年代のキャノンボール・アダレイあたりの演奏が脳裏を過ります。

同時に、すごい人がいるものだ、と感心しました。

初めて見かける方でしたが、どこかではよく演奏している方なのかもしれません。

まぁ、今の私の技量ではその方の足元にも及びませんが……。

 

『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』という曲。

時間の流れとともに洗練されたような気がします。

ありていに言えば、『そのままのあなたが好き』ということですかね。

 

瞬間が過去へと流れてしまう度に、心の持ちようも少しずつ色合いを変えていくもの。

女心と秋の空……。

これは、男性、女性にかかわらず、世の中の動きと自身の成長によって大きく左右されるような気がします。

 

今の私は、アルトサックスならやっぱりポール・デスモンド当たりが好きですね。

ジャズを聴きはじめた中学、高校生の頃とは違う感覚です。

強烈なインプレッションよりも、包み込むようなハートウォーミングな演奏に惹かれます。

Hi-Noteに移籍してからのヒューストン・パーソンや一貫してスタイルを変えないスコット・ハミルトンあたりのテナーサックス吹きが好きですね。

ひょっとして、それは、どんなことにも通底することなのかも……。

シチュエーションやスタンスにかかわらず……。

理想と現実の狭間を潜り抜けることで手に入れられる景色のひとつなのかもしれません。

 

家内からもらったどこにでも売っているチョコレート。

欲しいと思えばすぐに手が届く、それがしあわせの証なのかも、とある意味慰めながらコーヒーと一緒に頂きました。

 

 

今日は、朝から雪が降っています。

それに、昨日よりも寒いです。

今事務所では、スコット・ハミルトンのアルバムを流しています。

ちょうど、『Nearness Of You』が流れてきました。