今朝、カーテンを開け、窓の外に目をやると、青色と黄色と白色のマーブル模様の空が広がっていました。
まるで、北風と太陽の葛藤のように思え、昨夜の寒さを思い出します。
夏と見紛うほどのどの陽射しが降り注ぎ新たな季節の到来に胸を弾ませてくれたかと思えば、次の日には忌々しいほどの冷たい風が桜の花を――容赦なく剥ぎ取るように――そこかしこに散らしていきます。
このまま順調に進むかと思えば、何かの問題にぶつかってしまう。
よくあることです。
基本的にはあくまで想定内の出来事ですね。
今から3年前、一つの区切りをつけるように思いを形にして、自分の中で真剣に取り組んで行こうという決意を固めました。
二十歳の頃から胸に秘めた思いであり夢でもあります。
あの頃は、そうであればいいな、という曖昧な思いで、周りに惑わされながら抽象的な絵の具を使って、目には見えないキャンバスに向かっていたように思います。
実際、取り組んだのは過去に2回きりです。
それではとても階段を上り、目標に近づいているとは到底言えません。
頂上ははるか雲の上、視界から遠く離れたところで冷笑さえ浮かべてはそそり立つばかり。
そしてちょうど同じ頃、またバイクにも乗りはじめました。
やっぱり気持ちがいいものです。
あの頃のような勢いに任せた感覚にはならないものの、懐かしい感情が湧くのと同時に言いようのない切なさが風に靡きます。
置き去りにしてきた大切なものが、次第に心の水面に波紋を広げていきます。
さらに感覚を助長しようと、昨年から社交ダンスをはじめました。
私はジルバしか知りませんでした。
女性がスカートを翻して回ると、ぱっと花が咲いたように華やかになり気持ちも弾けます。
高校生の頃から憧れていたダンスです。
でも、私の場合、なんちゃってジルバなんですね。
今度、ラッキーにも名越明子さんとジルバを踊れることになり、これを機にこれから先は違う先生に習おうと考えています。
他の先生のことを蔑む発言をされると、どうしても気持ちが萎えてきます。
仕事もプライベートも、何かにぶつかりながらも少しずつ前に向かって進んでいる気がします。
いろんな人に助けられながら……。
まるで、水の中で転がる石のようなものですね。
川を下るたびに丸みを帯び、海に到達した時には陽射しを受けてきらきらと輝く砂へと姿を変えているかも知れません。
できれば綺麗な砂浜の仲間入りをしたいものです。
よく過去は変えられないけど、未来は変えられると言います。
それは無理なことです。
そのままでは、おそらく未来なんて変えられないと思います。
なぜなら、過去の自分を変えない限り、想定する、もしくは夢想する先の光景の礎には必ず過去の自分の片鱗が投影されているからだと思うのです。
プロジェクターからスクリーンに映し出される映像を目で捉えようとすると、必然的にプロジェクターの背後から見なくてはならないということです。
プロジェクターの前に立ち、自分の身体でブロックされ何も映らないスクリーンこそが本当の未来のような気がします。
遥か彼方の目標地点に自分で印をつける。
あとは、そこまでの道のりを自分の好きな色を選び、その時々に合った適切な筆を使って描いていくだけです。
あとは、甘酸っぱい感覚とほろ苦い味覚をそっと心に忍ばせて……。
土曜の夜は
お前を抱いて
渚で眠りたい
シャネルズの『トゥナイト』の歌詞の冒頭部分です。
大好きでしたね。
たぶん、ドリフターズなんかをモデルにしていたのかと個人的には思いますが、とてもカッコいいですね。
リアルタイムでよくレコードを聴きました。
歌詞も可愛くて、オールディーズのエッセンスがきっちり詰まっています。
確かセカンドアルバムだったように思います。
アルバム『ハート&ソウル』より。

