今日は雨ですね。
しとしとと胸を濡らすような雨です。
――雨の降る夜は、ビリー・ジョエル――
そんな歌詞を、ふと思い出します。
最近は、遠い記憶に耳を澄ませては、情景を思い出し、レコード盤の上でくるくると回します。
歳のせいとは思いませんが、かと言って今現在に不満を抱いているわけでもありません。
しあわせな贅沢病の一種かもしれません。
お客さんでもある年下のやつから電話が入ります。
「おはようさん、また、あれ頼みます」
「おはよう、了解。どうだ、調子は?」
「ぼちぼちかな」
「もう、頭がぼんやりするのはなくなった?」
「そりゃ、よかったな」
今から、2年前くらいにくも膜下出血で倒れ、すぐさま病院へ。
お土産屋さんへ卸す焼き菓子を製造している会社の社長さんです。
子供の頃、山や川、海などでよく一緒に遊びました。
影像はおぼろげではあるものの、でも記憶の中の出来事は確かに事実として残っています。
ちょっと休憩ですかね。
晴れていると、少しの時間でもバイクに乗りたいと思っても、すぐに日が暮れてしまいます。
すべてにおいて、そんな感じなのかもしれません。
気持ちがすっと気流に乗らず、その場所で停滞気味です。
今の天気そのものです。
今日は、社交ダンスのグループ・レッスンです。
足を踏み出すと、それなりに気圧は変わり、気分も上昇します。
たった今、電気屋さんが、以前電池交換を依頼していた電卓を持ってきてくれました。
基本、ソーラーですが、バックライト用の内蔵されている電池が何年も前に切れました。
もう10年以上も前の電卓です。
カシオの真っ赤な小さいもの。
胸のポケットにすっぽりと収まります。
お気に入りのひとつです。
last thing I remember
I was running for the door
I had to find the passage back
to the place I was before
"Relax", said the night man
"We are programmed to receive
you can check out any time you like
but you can never leave"
『ホテル・カリフォルニア』の歌詞の一部です。
「チェックインはいつでも出来ますが、チェックアウトする事は出来ません」
歌詞の意味は深いですね。
どこへも行き先を見出せないという閉塞感。
なんとなくわかるような気がします。



