昨日は、あまりにも天気が良かったため、思わず仕事を早めに切り上げて、バイクのエンジンをかけました。

 

傾きかけた陽射しが、ヘルメットのシールド越しに――視界を遮るように――目に突き刺さってきます。

 

先日購入したてのクーパー製のA-2み身を包み、海沿いにある喫茶店へと心地よいクルージングです。

 

可愛い感じのピンナップ・ガールのペイントが、背中を粋に飾ります。

 

 

先日、ナンシー・グリフィスのライブ映像を観ていたとき、素敵なシーンに遭遇し、胸が少しときめきました。

 

何曲目かの間奏のときに、脇で演奏している男性のほうに歩み寄り、軽くキスを交わしていました。

 

私よりも、優にひとまわりは上の年齢だと思います。

 

とても素敵で、胸を熱くさせます。

 

上品でいて、淑やかな女性そのものです。

 

カントリーやブルーグラスは、演奏の質はとても高く、その上和気あいあいとした雰囲気が伝わってくるので、私は大好きです。

 

 

グループ・レッスンをお願いしている先生から、先日個人レッスンの連絡を頂きました。

 

その先生からは、ジルバとルンバをじっくり教えて頂く予定です。

 

素敵ないつかのために……。

 

先生の連絡先を記入しようと、システム手帳を開いてアドレスのページを開けました。

 

すると、そこに懐かしい名前を見つけ、微かに耳に届く潮騒のようなはるか遠い記憶が胸の奥をくすぐります。

 

その欄の端に小さな文字で、CDルージュ・アレーブルNo.563と柔らかな文字。

 

今から軽く30年も前のこと。

 

今でもその商品はあるのでしょうかね。

 

二人して少し背伸びをしていた頃の空気が、一陣の風のように脳裏を掠めていきます。

 

ほろ苦い残り香を、しばらく漂わせながら……。

 

 

『Where Did My Childhood Go?』という曲を思い浮かべます。

『チップス先生さようなら』のDVDの挿入曲です。

時間が経つのが速いことに、子供の頃はまったく気づきもしない、というような感じの曲だったと思います。

私も、20代半ばまでそう思い込んでいた一人です。

今の自分をまったく想像だにしないあの頃の記憶は、輪郭さえ覚束なくなるものの、エッセンスだけは今なお胸に残っています。

これだけは言えますが、私はこのDVDよりは、もとの小説のほうが断然好きです。好みの問題かもしれませんが……。