昨日の夕方遅くに、従業員から電話。
車のエンジンがかからない、と……。
取引先の食品工場を出ようとした時の突然のトラブル。
車屋さんに電話を入れるよう指示して、山間にある現場へと急ぐ。
陽はとっぷりと暮れ、あたりは闇に包まれている。
小さな峠ではあるものの、人の気配はまったくない。
ヘッドライトは、恐ろしいほどの静寂を映し出している。
現場に着き、問題の車のイグニッション・キーを回す。
びくともしない状況に、ため息は夜の静けさへと吸い込まれていく。
暖房の効いた車内で、二人煙草を吸いながら積載車の到着を待つ。
およそ40分。
「気持ちを引き締めろってことじゃないの?」
そう笑って言葉をかけながら、なかば自分に言い聞かせるように頷く。
しばらくして台車を載せた大きな車が姿を見せる。
腕時計の針は、優に7時を回っていた。
こんな遅くに来てくれたことに感謝して、その場を後にした。
目に映らないことに対し、あれこれと考えを巡らしてはため息を漏らしがちに……。
今朝、温かいメッセージをもらう。
自分の器の小ささにあきれてものも言えない。
ずいぶん昔に味わった気持ちにどこか似ている。
唾液に苦味が混じり、喉の奥へとゆっくりと垂れていく感じ……。
仕事を管理することはできても、自分の気持ちをうまく制御できずにうろうろしてしまう。
この歳になってももどかしさを抱える自分に、ある意味不甲斐なさを感じてしまう。
I can see a new expression on my face
I can feel a strange sensation taking place
I can hear the guitars playing lovely tunes
Everytime that you walk in the room
I close my eyes for a second and pretend it's me you want
Meanwhile I try to act so nonchalant
I see a summer night with a magic moon
Everytime that you walk in the room
カーラ・ボノフの『WHEN YOU WALK IN THE ROOM』の歌詞の一部。
手に取るように気持ちがよくわかります。
この曲をPAM TILLISが歌うと、より一層色が乗ります。
アルバム『SWEETHEART'S DANCE』。
一曲目からノックアウトされること間違いなしです。
今日はサックスのレッスンです。
メッセージを見つつ、ついつい口元が綻びます。

