最近、マイルスをよく聴きます。

今更感が多分にしますが、演奏がうまいというだけではなく、

その場の空気を支配する能力に非常に優れていて、興味が尽きません。

マイルスは、各プレーヤーのポテンシャルを最大限に発揮させます。

 

その人がいるだけで、その場の空気に凛とした緊張感が生まれ、

その場にいる人はみんな、無意識のうちに姿勢を正してしまう、という感じです。

 

日常的にはあまりない感覚ですが……。

 

相手に対して、「もっと、こうしてほしい」とか「こんなふうに動けないの?」

なんて、いろんな場面で思ったり思われたりしていると思います。

 

相手があることに関して、必ずといっていいほどこういうジレンマに陥ります。

「自分が悪いのかな」と自己嫌悪にさえ悩んだり……。

 

自分の思いを通そうとすると、ハラスメントにつながっていきます。

 

一人でいるとその種の煩わしさはないのですが、逆に寂寥感で押しつぶされそうにもなります。

 

リーダーシップは大切ですが、独りよがりにならないよう気をつけないといけない、と思います。

 

自分に自信があると、とかく自己中心的な考えにとらわれがちですが、

互いの思考回路を個性として認め合えるような、そんな感覚を磨いていきたい、と思いますが難しいですね。

 

 

先日、テレビで放送されていた社交ダンスの世界選手権でキンタローが踊っているのを見て、

心が揺さぶられました。相手へのリスペクトの強さが、全体としての完成度を上げる。

 

 

マイルスの音楽には、構成的美意識が横溢しています。

マイルス・デイヴィス『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』

お勧めです。