小諸城 〜日本百名城(#28) | カイザーのブログ

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2021年5月9日に登城。

 

長野県小諸市にある日本百名城の28番目に掲げられているお城。

仙石久秀の手になる国内唯一ともいえる穴城として有名なお城です。

 

穴城というのは、中仙道と城下町が小諸城よりも高い所に位置して

いて、大手門、三の丸、二の丸、本丸と段々と低くなっていくと

いう構造になっているところから呼ばれるようになったものです。

 

地元の解説員のお話では江戸時代から、旅人に

「小諸のお城というのはどこにお城があるの?」

と質問されるほどに、街道筋からは存在自体が見えない不思議な

お城とされていたようです。

 

さてそれでは探索。

 

まずは大手門。

なかなか立派なものですが、1612年建築当時のもの。

明治以降の料亭や塾舎として利用されていたものを2008年に江戸中期の

修理記録に基づいて復元修理を施したものだそうです。

 

大手門と城址公園(懐古園)とは鉄道路線で分断されているのですが

さほど離れておらず、またこの大手門の内側に駐車場もあるため

アクセスはしやすいところです。

 

(内側)

中に入ると

解説員の説明でもありましたが、お城の大手門のくせに、内部構造が

襖や障子を有している珍しい内装になっています。決して後世の塾舎

や料亭の名残ではなく、1720年(享保時代)修理当時にそうであった

らしいです。

 

(城内案内図)

案内図を見てわかるように三の丸〜本丸まで連郭式構造の平山城です。

逆さにした Y字型のようになっていて、奥に行くほど低くなり、広く

なる不思議な形をしています。

 

本丸の下には千曲川(信濃川支流)があり、その侵食崖が深く広く

各曲輪の横を走っている構造になっています。

 

現在は三の丸と二の丸の間の部分にJRと信濃鉄道の路線が走っていて

分断されています。

ここから鉄道を越えて、城内へと進みます。

 

(三の門)

手前側が三の丸で、門内が二の丸へと続く空間なのですが、奥に向かって確かに

低くなっていってます。

 

元々は1487年に信濃守護職の小笠原氏の系統である大井光忠がこの近くに築いた

鍋蓋城が起源で、1554年ごろ武田晴信(信玄)が拡張整備し、1591年に仙石久秀

が現在の地に築城して現在に至る、という歴史だそうです。江戸時代はずっと

牧野氏の居城として用いられ、明治期に廃城令で荒廃。小諸藩士の有志により

懐古園として公園整備がされたということです。

 

三の門の先で入場料を支払い、そのまま進みます。

 

(二の丸跡とニノ門跡)

右手の空間が二ノ門跡で、右の階段上が二の丸跡です。

 

南丸跡を抜けて、本丸へと進みます。

本丸と南丸・二の丸を分ける部分には大堀切があり、最終防衛戦を形成しています。

 

(黒門橋と深い峡谷)

 

本丸に入ると本丸御殿跡地に神社が鎮座してます。

少し奥に気持ち高台になっていて、天守台があります。

右側が本丸御殿跡に立つ神社関係建物。奥の少しだけ高台になっている石垣が天守台。

これを下から見ると

 

(天守台石垣)

結構な高さです。

何より上に登ってみると手すりも何もないので、少しドキドキしました。

 

本丸奥にさらに進むと、馬場跡などの広い平地があり、先の縄張り図にもあるように

小諸城はY字型の尾根筋の上に築城されていることがわかります。この平地があるゆえ

に築城されたのかもしれません。

 

(本丸と向かい側を隔てる南谷)

ほぼ垂直に切り立った侵食崖です。

 

Y字の左側の突端には現在は富士見展望台があり、

Yの右側の突端には不明門(あかずのもん)の跡地があり、

水の手展望台という千曲川を臨む展望台が置かれています。

 

(水の手展望台)

 

(水の手展望台から見る千曲川)

 

(水の手展望台側の城外と城内を隔てる地獄谷=北谷)

地獄谷を隔てた向かい側には鹿島神社があるとのことですので、

昔はそこも曲輪の一つとして機能させることを想定していたのでしょう。

 

深い谷ではありますが、鉄砲時代にあっては十分射程距離内にあると思われ、

織豊期にはもう少し防衛のためには広さが必要だったと思われます。

 

小ぶりなお城ながらよく整備されていて、近所の人のお散歩コースになっている

かのような落ち着いた雰囲気のあるお城でした。

特に渓谷周辺には紅葉、城内には桜が数多く植えられているので、

ハイシーズンには古城の雰囲気とあわせて普通の人にも色々楽しめる場所だと

思われました。

 

 

 

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