というのは、私がいろいろな写真教室に参加して得た
知識をまとめたテキストのことです。
一部はこのブログに公開していますが、まぁ、ヒマな
アマチュア・フォトグラファーの備忘録として捉えて
くださればと思います。
ポートレート撮影術(基本編)Ch1-1
ポートレート撮影術(基本編)Ch1-3
で、ポートレート撮影の場合の押さえるべきポイント
として
画角・アングル・構図・フレーミング(クロップ)・
背景処理・目線の有無・右顔/左顔の選択、
ということを挙げました。
この前段には、光の読み方(光の方向・強さ・質・
光源の色)があり、
後段には、ポージング指示ということがあります。
(目線の有無・右顔/左顔の選択はポージング指示)
で、アングルについて。
そのお試しを風薫ちゃんでやってみました。
2-1 ハイアングル
(1) ニーショット
どうでしょう。
けっこうバリエーションが撮れますよね。
アングルをハイアングルで撮ると決めて、
タテ構図で構えて、
膝上までフレームインする、胸上までフレームインする、
というところは見ての通りです。
で、風薫ちゃんに目線と顔を動かしてもらって、
右顔/左顔・目線のある/なしをポージングしてもらい、撮る。
撮影開始早々の、まだモデルさんとフォトグラファーとが
なじんでいない、現場の温度が上がってきていない局面で
ルーティーンとして撮ると、モデルさんを良く観察すること
もでき、くせなり、特徴なりが見えてきて良いです。
そして、青字のところで説明していないことで重要なことが
もう一つ。
「画角」
画角はフレーミング(クロッピング)とは異なります。
レンズの焦点距離の選択のことです。
ニーショットを撮っていて、バストショットに切り替えたい
から、フレーミングを寄るためにズームリングをまわして、
って良くやりません?
写真教室でも、講師の説明で良く「ここは寄りの画角で」って
説明してしまうことが多いので、初心者・初級者(=私)は
勘違いしてしまいます。
プロカメラマンは画角=レンズ選択と分かりきっているので、
フレーミング(寄り・引き)と画角(レンズの選択)を
詳しく意識して解説してくれません。
で、初心者が、長い焦点距離の望遠レンズで撮った写真は、
人物撮影の場合、ふつう「寄り」の画になり、短い広角レンズ
で初級者が撮れば、ふつうは全身が入ってしまい、「引き」の
画に見えてしまいますので、画角と言えば寄り引きの話、
と勘違いしてしまいます。
実際は画角を変えるとレンズの効果、ポートレートでの多くの
場合はパースペクティブ(遠近感)が変わるので、表現効果を
考えて選択すべきものなのです。
これが初心者(=私)には分からなくて。
比較写真を出しましょう。
(モデル:鈴木える)
(3)ウェストショット@38mm
(4)ウェストショット@85mm
手元に余りよい写真がないので、えるちゃんに登場
いただきました。
いずれもウェストアップの写真で、ある意味「寄り」
の写真です。しかし広角レンズと中望遠レンズの
遠近感の差が大きく生じていることがお分かりになる
でしょうか。
広角+ハイアングルという遠近感強調の(3)と
望遠+レベルアングルという圧縮感強調の(4)は
歴然とその画角効果が異なることを感じていただける
と思います。
そして(3)の不自然に歪んだ人物像は、やはり奇異な
感じがします。しかし、初心者・初級者がファインダー
をのぞいただけで、この歪みに気がつくことはあまり
ないです。
なので、初級者がポートレートを撮るときには
よくよく気をつけないと、(3)の組み合わせの写真を
撮ってしまい、被写体の人物から「今イチ」と評価
されてしまうことが往々にしておこりえます。
で、(1)(2)の写真に戻りますと、これらはいずれも
135版(35mmフルサイズ)の焦点距離70mmで撮って
います。
これでもよく見ていただくと、特に(1)では顕著に
遠近感が強調されていて、風薫ちゃんの顔に比べて
ボディが小さくなっています。
表現効果として狙っているのであれば良し、そうで
なければ70mmではまだ焦点距離が短いということ
になります。
だから、昔のポートレート撮影家は300mmの超望遠
で歪みなく端正な人物写真を狙ったんだな、と
最近になって分かってきました。
今さら、あの重い超望遠レンズとフルサイズの重たい
デジタル一眼レフの組み合わせを持ち歩くのは大変
ですし、三脚を立てて撮るのも現代日本では許されない
ことが多いので、なかなか超望遠レンズでの撮影は
まねることができないかと思われます。
しかし、ミラーレスのAPS-Cが主流になれば、また
超望遠での端正な写真が復活流行してくるようになる
かもしれません。
ということで、アングル(ハイアングル)と画角の
選択のお話でした。
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