やっとこさCCM2月。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

ふう、
やっとこさ、ここまで辿り着いたぜえ〜。



Transfusion-Associated Delirium in Children: No Difference Between Short Storage Versus Standard Issue RBCs

小児輸血。
輸血期間、輸血とせん妄、とな。

20 PICUs 。
年齢は、3 days to 16 years。
まず、
short storage RBC (保存7日以内)
standard RBC 、
の分類。
輸血後3日までせん妄評価。
ついでに、
dose-response RBCsとせん妄。
マッチング非輸血との比較。

で、146 名。
69 short storage、 77 standard。
で、
せん妄に、差はなかった。(79.5% vs 70.1%; p = 0.184).

輸血と非輸血の比較では、
Hbはじめ、色々調整後、
輸血群で、せん妄が8倍‼︎
OR, 8.9; CI, 2.8–28.4; p < 0.001

輸血でせん妄が増える、、、
その心は⁈



Optimal Cerebral Perfusion Pressure During Delayed Cerebral Ischemia After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage

くも膜下出血後、虚血時期。
その頃の血圧管理。
ま、
なんとなく、高い方がいいよ〜とはされてるが。。

39名。
20 名で、後期虚血
19名は、無し。

介入は、収縮期圧180以上。
適切な脳環流圧は、
後期虚血が始まる 30 hours前から、
82.8 ± 12.5 to 86.3 ± 11.4 mm Hg ( p < 0.05).
に上昇していた。

後期虚血3時間前には、
環流圧と、適切な環流圧の差が出た。
–0.2 ± 11.2 to –7.7 ± 7.6 mm Hg; p < 0.05。

環流圧は、
後期虚血  81.4 ± 8.3 mm Hg,
虚血なし 90.4 ± 10.5 mm Hg; p < 0.05
だった。

介入により、
虚血は、15減らせ、
異常高血圧は、5増える、
計算。

えーっと、
後期虚血時期、
実際の中枢圧と、適切な環流圧に、差があるようです。
自動調節能も狂ったままと。

高血圧介入をすると、脳虚血適切な圧を上回る圧を維持できる。
ま、高血圧で、なんかあるケースも出るだろうが。
って事は、、、、
ある程度、高めを維持する、ってな、必要なんでしょうな。
収縮期圧180ってな一つの指標なのかね?



Lung- and Diaphragm-Protective Ventilation by Titrating Inspiratory Support to Diaphragm Effort: A Randomized Clinical Trial

最近じゃ、肺保護、を超えて、
横隔膜保護換気、という概念ですな。
確かに、
横隔膜に、過剰な労力を起こして仕舞えば、
疲労性障害を起こし、
呼吸器離脱は、不可能となります。
ただ、
呼吸努力が弱すぎれば、萎縮、することもあります。
多すぎず、少なすぎず、
横隔膜に適切な労力を提供する必要があるわけです。

人工呼吸器40名。
介入群は、
吸気努力をモニター1時間おき。
経横隔膜圧スイングを、
前もって決めた “diaphragm-protective” range (3–12 cm H 2 O). に管理する。

経横隔膜圧、経肺圧、一回換気量、
などが24時間にわたりモニター。

で、
介入群で、“diaphragm-protective” rangeの頻度が高かった。
(81%; [64–86%] vs 35% [16–60%],)

経肺圧は、差がなかった。
(20.5 ± 7.1 vs 18.5 ± 7.0 cm H 2 O; p = 0.321)

一回換気量もさがなかった。
(7.56 ± 1.47 vs 7.54 ± 1.22 mL/kg; p = 0.961)

ん、
“diaphragm-protective” 、というものを
設定して、行使する事はできそうだ。
経肺、換気量とかは変わらんのにね。
ま、
次は、これによって、
予後を変えうるか、、、、というとこになってくる。
時代は、横隔膜だ‼︎




Disparities in Hypoxemia Detection by Pulse Oximetry Across Self-Identified Racial Groups and Associations With Clinical Outcomes*

人種とSat⁈
人種ごと、
occult hypoxemia (A ガスSat 88%以下、Satモニター ≥ 92%),
臨床的予後、評価。

128285ペアのガスSat評価を、
26,603 patients.から。

Satで、過大評価するのは、 1.57% (1.54–1.61%).
Black, Asian, American Indian 、で、
occult hypoxemiaを起こしやすい。
(6.2% [5.1–7.6%], 6.6% [4.9–8.8%], 6.6% [4.4–10.0%],)
一方、
White は少ない。(3.6% [3.4–3.8%]).

Black vs White
OR, 1.65; 1.28–2.14; p < 0.001

Occult hypoxemiaは、
手術患者の死亡 OR, 2.96; 1.20–7.28; p = 0.019
ICU 患者の死亡 OR 1.36; 1.03–1.80; p = 0.033
と関連。

Occult hypoxemiaは、
hospital-free daysが、
手術患者 –2.5 d [–3.9 to –1.2 d]; p < 0.001)
では関連するが、
ICU patientsでは、せず (0.4 d [–0.7 to 1.4 d]; p = 0.500).

Occult hypoxemia、、、、ねえ。
気にした事、、、、
ほどんどないけど、結構大事なの⁈
特に黒人さんで多いらしい。
なんなんすかね⁈




Coronavirus Disease 2019 Temperature Trajectories Correlate With Hyperinflammatory and Hypercoagulable Subphenotypes

ほお、
コロナ患者の熱の推移と、炎症、凝固の関係を調べるのか。
レトロ。
入院コロナ。
入院72時間の推移を、
4群に分けるl

5,903 名。
hyperthermic slow resolvers ( n = 1,452, 25%),
hyperthermic fast resolvers (1,469, 25%),
normothermics (2,126, 36%),
hypothermics (856, 15%).
の4群。
高熱持続、高熱すぐ下がる、正常、低体温、ですね。

で、
Hypothermics で、凝固系の異常。
DDimerとフィブリンの異常あり。
で、
中枢神経系の異常が多かった(10%, p = 0.001).

静脈血栓にも差があった。 ( p = 0.005)。
hypothermics (8.5%) で高く、
hyperthermic slow resolvers (5.1%). で最も低い。

Hyperthermic slow resolversでは、
炎症所見が多かった。
CRP、フェリチン、IL6が高い。

Hyperthermic slow resolversでは、
人工呼吸器、昇圧、そして死亡、が多い。
OR 1.58; 95% CI, 1.13–2.19
(比較は、 hyperthermic fast resolvers. )

パンデミックが進むにつれ、
hyperthermic slow resolvers, の頻度が下がった。
53%( March 2020 )
15%( 2021. )

デキサメサゾンの使用が、
hyperthermic slow resolversの低下にも関連。
(27% reduction; 95% CI, 23–31%; p < 0.001).

へえ、
そういう分類もあるんすねえ〜。
熱ってな、基本であり重大な規定因子なんすな。




RBC Transfusion in Venovenous Extracorporeal Membrane Oxygenation: A Multicenter Cohort Study

VVECMOと輸血?
208名。
63% 男子、年齢 55 years (45–62 yr)。
原因は、ARDS。
期間は、 9 days (5–14 d).
ECMO前 Hb 10.8 g/dL (8.9–13.0 g/dL),
開始後  Hb 8.7 g/dL (7.7–9.8 g/dL)
輸血施行日に最も低い(8.1 g/dL [7.4–9.3 g/dL]

88% で、RBC 輸血がされた。
量は、 1.6 U (1.3–2.3 U) 。
非出血患者においても高い頻度 (81%).

自由輸血管理(Hb9)だと、もっと頻度上がる。
が、
管理による予後に差はない。

更には、
輸血の有無ですら、予後には差がなかった。

何をしたかったんや⁈
って感じっすね。




Late Awakening Is Common in Settings Without Withdrawal of Life-Sustaining Therapy in Out-of-Hospital Cardiac Arrest Survivors Who Undergo Targeted Temperature Management*

院外心停止後。
33–36°C の体温管理を受けた。
復温〜覚醒までの時間。

1,145 名。
477 patients (41.7%) 名が、
30時間(6–71 hr) 後に、覚醒。
116 patients (24.3%) は、後期覚醒 (72 hr 以降)。

若年、目撃者あり、shockable rhythm, 心臓性、ROSCまでの時間短い、Lac低い、痙攣なし、多種の鎮静、
が、覚醒ありと関連。

477 名の覚醒者。
74 (15.5%) 名で、poor neurologic outcomes.

高齢、肝硬変、nonshockable rhythm, 非心臓性、SOFA高い、Lac高い、が、
poor neurologic outcomes.と関連。

Late awakenersは、 poor が、good neurologic outcome より多かった。
(38/74 [51.4%] vs 78/403 [19.4%]; p < 0.001).

覚醒までの時間
OR 1.005; 95% CIs, 1.003–1.008

late awakening
OR 3.194; 95% CIs, 1.776–5.746
は、
poor neurologic outcomes.と関連。

ま、、、、
覚醒しないのも半分以上ですが、、、、
その中でも30時間程度で、覚めないと、
厳しい戦いなんすかねl




Trends in ICU Mortality From Coronavirus Disease 2019: A Tale of Three Surges

ICUコロナ死亡推移。
March 6, 2020, to January 31, 2021.
March to April,
May to June。
July to August,
September to November。
December to January。

1,686 patients。
死亡は、29.7%.
時間毎に、
28.7%、 21.3%、 25.2%、 30.2% 、34.7%。

1) 危険因子(高齢、人種、BMI低い、老人ホーム)
2)入室時の状況 (SOFA高い、d -dimer,CRP高い);
3) ICU介入 (人工呼吸、昇圧、透析、吸入)
などが
死亡に関係。

色々調整後、でも、
最後のニ期間の死亡は高かった。

ふうむ、、、、
まだ、アルファとかの時期?っすかねえ?
デルタでもないよねえ。
患者数が多すぎとか、
そっち系の問題で差が出たのかねえ?
治療法としては、
ない中でも後期ほど情報は増えるだろうに、、、。



Long-Term Acute Care Hospital Outcomes of Mechanically Ventilated Patients With Coronavirus Disease 2019*

コロナ、長時間人工呼吸後生存患者。。。。。

158 名。
人工呼吸器離脱に難渋し、長期人工呼吸器用病院へ転院した患者。
転院前、 41.0 days が過ぎている。
人工呼吸器は、35日、ついている。

年齢は、60.0 years,
34.8% が女子。
91.8% 名で既往症あり
高血圧(65.8%)、DM (53.2%). など。

その後、、、、
呼吸器離脱できたのが、70.9%‼︎
成せばなる、、、、ですかね。
離脱までの期間は、 8 days⁈
35日離脱できなかったもんが、8日ねえ。

死亡は、 9.6%.
19.0% は、自宅へ帰れた。
70.3% は、療養機関。
1.3% は、入院中。

ふうむ、、、、
長期人工呼吸器患者を離脱させる病院、
ってのも、重要な拠点なんすねえ。
結構、すごいと思うわあ。




Prone-Positioning for Severe Acute Respiratory Distress Syndrome Requiring Extracorporeal Membrane Oxygenation

ECMO患者をProne⁈
8年のレトロ。
マッチング比較。

で、
16時間のProne後、
コンプライアンスが3 mL/cm H 2 O 以上増加した。
これを反応群とした。

298 名のVVECMO患者。
64 名でProneした。
Although both propensity score–matched groups had

90-day での、ECMO離脱生存確率は、
0.75 vs 0.54, p = 0.03
HR 1.54 [1.05–2.58]

90-day死亡は、
(20% vs 42%, p < 0.01)
Proneで良いと。

合併症に差はない。
抜けたりしたら、致命的ですけどね。

コンプライアンスが改善しない患者は、
腹側無気肺が多い ( p = 0.047).

まあ、、、、確かにねえ。
仰臥位ほど、肺に悪い体位はない、、、、。
が、ECMOのProneは、敷居が高いなあ。
ま、VVだからいけるのかねえ。
VAは、なんだかんだ、循環が、、、、。




Beneficial Effect of Prone Positioning During Venovenous Extracorporeal Membrane Oxygenation for Coronavirus Disease 2019*

VV ECMO Prone。。。
で、コロナ。

72施設、232名。
Proneは、、、
ECMO前に、176 patients (76%) にされてた。
ECMO中、67 patients (29%) にされた。

生存退院は、
ECMO Prone 33%
ECMO Supine 22%
HR 0.31; 95% CI, 0.14–0.68

ううん、、、、
ECMO Proneが普通の時代が、、、、来るの⁈



Use of the Molecular Adsorbent Recirculating System in Acute Liver Failure: Results of a Multicenter Propensity Score-Matched Study*

『molecular adsorbent recirculating system』
分子吸収再循環システム?
水溶性、Alb結合毒性物質、を取り除ける。

で、急性肝障害に有用じゃないかと。
急性肝障害 104名のシステム使用と、
416名のコントロール。

原因は、
アセトアミノフェン248
非アセトアミノフェン  272。
まじかあ、
半分、アセトアミノフェン。。。。
気をつけましょう、マジで。

マッチング後、
システム使用は、 21-day 移植なし生存を増やした。
OR 1.90; 95% CI, 1.07–3.39; p = 0.030
原因によらず関連。

アセトアミノフェン、システム患者51名。
平均血圧 (92.0 vs 78.0 mm Hg),
Cr (77.0 vs 128.2 µmol/L),
lactate (2.3 vs 4.3 mmol/L),
アンモニア (98.0 vs 136.0 µmol/L)
などが改善する模様。

非アセトアミノフェン n = 53。
Bil (205.2 vs 251.4 µmol/L),
Cr (83.1 vs 133.5 µmol/L),
アンモニア  (111.5 vs 140.0 µmol/L;)
などが改善。

むう、、、、
なんとなく、血漿交換に近いもんなのかね?
Alb交換?のが近いのか?
よきわからんが、
有効なんすね。
あとは、アセトアミノフェンは、正しく使いましょう。。。




Fluid Balance and Ventilator-Associated Events Among Patients Admitted to ICUs in China: A Nested Case-Control Study*

ICUで、輸液バランスと、人工呼吸器イベント。
人工呼吸器4日以上。
1,528 イベント。
3,038 コントロール。

イベント4日前〜のバランス評価。
バランス  –1、 0 L は、
最もリスクが少ない。

バランスが増えるほど、イベント増える。OR、
1 L: 1.19;
3 L: 1.92;
5 L: 2.58;
7 L: 3.24

マイナスバランスは有意差なし。OR
–5 L: 1.34;
–3 L: 1.14;
–1 L: 0.98

ベストは、プラマイゼロ、に近いところ。
マイナスのがよっぽど良い。
バランス増える管理をしつつ抜管とか、、、
輸液負荷しながら抜管とか、
意味わからん事はしないように‼︎



A Systematic Review and Pooled Prevalence of Delirium in Critically Ill Children*

小児せん妄、、、、か。
発生は、ICU小児の 34% 。
8/ 11 studies で、
subtype としては、hypoactiveが最も多いと。 (46–81%)
残り3つは、hyperactive (44%), mixed (57%), hypoactive and mixed delirium (43%) と。

因子は、
累積Doseの、benzodiazepines, opioids,種類多い、深い鎮静、心臓手術。
で、
その後の予後にも関連する。

大人よりも難しい世界でしょうなあ。



Continuous Versus Routine Standardized Electroencephalogram for Outcome Prediction in Critically Ill Adults: Analysis From a Randomized Trial

意識障害系ICU患者の脳波ね。

364 名。
持続脳波 (30–48 hr; n = 182)
繰り返す20分脳波 ( n = 182).
で、、、
結果だけ。
脳波は、予後、予測に関連すると。
持続、の方が、より正確な情報を得られると。
ま、
脳波は、奥深いっすよねえ。。。。




Targeted Temperature Management in Out-of-Hospital Cardiac Arrest With Shockable Rhythm: A Post Hoc Analysis of the Coronary Angiography After Cardiac Arrest Trial

Shockable心停止後、体温管理。
ガイドラインは、32〜36度、なんすよね、まだ。

459 patientsが、
mild (32.0–34.0°C)
normothermia (36.0–37.0°C)管理。

90日後、生存は、
Mild 171 patients (63.6%)
Normo 129 (67.9%)
HR, 0.86 [95% CI, 0.62–1.18]; p = 0.35;
OR, 0.89; 95% CI, 0.45–1.72

ICU滞在は、
4 d [3–7 d] vs 3 d [2–5 d];
Mildで長い。
また、
血圧低下、Lac上昇、昇圧剤使用とも関連。

一年後神経系予後とかは差がない。

うん、
一般的には、36〜37(37は超えない)管理が、
良いと思われる時代。
一部の人達が必死に抗ってるが、
どこまで頑張れるかね⁈




Anisocoria and Poor Pupil Reactivity by Quantitative Pupillometry in Patients With Intracranial Pathology

新規 anisocoria (差が1mm以上)
±角膜反射有無。
急性の神経異常における意味。

221 patients 。
年齢58, 41%女子。

63%で、新規anisocoria. あり。
へえ〜、結構出るんすね。
で、
プラス、角膜反射の異常があると、
CTでの最大 midline shiftが増える。
(β = 2.27/ mm; p = 0.01).

角膜反射が正常だと、死亡が少ない。
OR, 0.34; 95% CI, 0.16–0.71; p = 0.01

ほお、
とりあえず、アニソコ患者を見つけたら、
角膜反射の有無を確かめよう、と思う今日この頃です。



おしまい。