CCM7月。メラトニン、メドドリン。。。Etc | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

梅雨、、、、ですなぁ。
去年は結構晴れてましたが。。。。

めげずに頑張りましょう。




Predictors of In-Hospital Mortality After Rapid Response Team Calls in a 274 Hospital Nationwide Sample*

RRT(Rapid Reaponse Team)はねえ、
非常に良い試みだと思うんですが、
めっちゃ予後が良くなるなんて報告はありませぬ。
なんででしょうね?

チームが呼ばれた後、死亡、生存で、比較して見た。
死亡群は
年齢が高い、( 72 vs 66 yr),
非心臓の病気で入院 が多い (70% vs 58%),
入院期間が長い (81 vs 47 hr)
( p < 0.001 for all ).
ことがわかった。

生存に関わるAUCは、
収縮期血圧、入院からの期間、呼吸数が重要で、 0.78 (95% CI, 0.78–0.79)だった。



Increasing the Number of Medical Emergency Calls Does Not Improve Hospital Mortality

同じような話が。
441,029 patients。
中央値 61.0 yearsで、57%男子。
死亡は、 0.70%。
チームがCallされたのは、
月平均で、 9.21 〜30.69 (中央値18.4) / 1000退院、だった。

チームのCallが増えても、院内死亡は改善しなかった。
OR, 1.019; 95% CI, 1.008–1.031

もう一個の病院でのデータでも、同じ結果。
チームCallと死亡に差はなかった。
(頻度18〜33、死亡率0.83%)
(OR, 1.003; 95% CI, 1.001–1.006).
って事で、、、、
チームをCallする頻度をあげりゃ良いってもんじゃなさそうだぜ、ってさ。
違う面からの改善がいるね。




Early Enteral Nutrition Provided Within 24 Hours of ICU Admission: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials*

昔ほどの勢いは無いですが、
それでも、早期の経管栄養は、大事な手段だと考えられてますよね。
早期経管栄養の定義は、24時間以内に通常成分のものを始めること、とした。
Primay死亡、Seconday、その他色々。

699Studyがあるんだって。
この内、
16RCT、3,225 名の重症患者。

で、
早期経管栄養は、、、
死亡を改善せず。
OR 1.01; 95% CI, 0.86–1.18; p = 0.91

一方、、、、
サブグループでは、有効な可能性があった。
早期経管🆚後期経管で、
OR, 0.45; 95% CI, 0.21–0.95; p = 0.038
一方、、、
早期経管 🆚 静脈栄養では、差がなかった。
OR, 1.04; 95% CI, 0.89–1.22; p = 0.58

肺炎の比率は、下がるようだ。
OR 0.75; 95% CI, 0.60–0.94; p = 0.012
ってことで、、、
まあ、
簡単に言えば、
早期経管栄養に、死亡を減らすほどの効果はないよ、と。
最初の頃はね、勢い、あったけどね。
ま、でも、
行ける人は行くのが、大原則なきはするけどね。。。



One-Year Outcomes in Patients With Acute Respiratory Distress Syndrome Enrolled in a Randomized Clinical Trial of Helmet Versus Facemask Noninvasive Ventilation

NIPPVの中でも、
ヘルメット型が一番いんだぜえ〜、なんてね、
思われていますが、、、
その割に、普及しませんが、、、
ARDSの一年後予後をみる、って長いの、あんまないからね。面白い。

そもそも、ARDSの生存者の予後が悪いのは、侵襲的(挿管される)人工呼吸器管理中の悪いことが積み重なってだと思われておる。
では、
NIPPVの中では一番良いと思われるヘルメット型で、フェイスマスク型より、挿管頻度を減らせば、
ARDSの生存をあげれるんだろうか?

Primayは、1年後、機能的自立。

さて、今までのRCTからの抽出。
退院時、、、、
フェイスマスク型は、
ICU-acquired weaknessが少ない。
(79.5% vs 38.6%; p = 0.0002)
機能的自立が少ない。
(15.4% vs 50%; p = 0.001)
だった。

一年後、、、、
81/83 patients (97.6%)のFollow。
で、
死亡は、、、、
フェイスマスクで高い。
(69.2% vs 43.2%; p = 0.017).

ヘルメット型は、自立が高かった。
(40.9% vs 15.4%; p = 0.015)
で、
家に居られる期間が長かった。
(median, 268.5 [0–354] vs 0 [0–323]; p = 0.017).

むう。
挿管より、フェイスマスクNIPPVよりも、、、、第一選択は、ヘルメット型NiPPVである、と。
長期予後もいいぜ、と。
そういう報告。
普及はしないが、、、、
データはいいぜ‼︎


Clinical Predictors of Survival and Functional Outcome of Stroke Patients Admitted to Critical Care*

2010〜12にStrokeでIcu入院した患者のレトロ。
Icu入室24時間以内のデータを調査。
2016までFollowされる。
で、
機能予後は、modified Rankin Scaleで。

131 名の重症Stroke患者。
中央値 70 years (55–78 yr).
一年死亡は、52.7% ‼︎
生存患者は、その後平均で4年ちょいFollowされる。
多変量解析で、
長期の死亡に関係するのは、
高いAPACH2スコア、
意識障害 (Glasgow Coma Scale score ≤ 8)
によりIcu入室が決定された場合だった。
後、当然24時間GCSが低い場合ね。

長期の機能的自立は、
生存者の 30.9%、
コレは、
APACH2スコア低い、
GCS高い、
CTでMass Effectがない、
が、予期因子だった。

むう。
Stroke患者が、これだけ死んでいるとは、、、、実は思ってなかった。
1年で半分以上だもんね。
生存しても、自立できるのは1/3だしね。。。
で、、、
それらの長期予後は、割と、、、
最初の印象でだけでわかるものなんだよね。
印象が、、、証拠ずけされたわけだ。。



Estimation of Extra Length of Stay Attributable to Hospital-Acquired Infections in Adult ICUs Using a Time-Dependent Multistate Model*

院内感染で、Icu入るような患者の、入院は長そうですな。
前向きで、、
なんと、1995〜2012という長時間‼︎
12ICU。
18歳以上で2日以上入院患者。
感染(肺炎、菌血症、尿路感染)

33443名。
院内感染は、15.5% ( n = 5,176).
コレがあると入院期間は、27.4 (± 18.3) days
無い患者は、 7.3 (± 7.6) days。
いろんな因子をみると、
感染で、 5.0 days (95% CI, 4.6–5.4 d)、
延長するんだって。
入院25日以降の院内感染は、ー入院期間と関係ないんだって。なんでだろ?

むう。
15%も、、、、院内感染っているんだ。。。
で、入院期間はめっさ、伸びるわな。。。
まず、、、感染しないこと、ですなぁ。



Effect of Administration of Ramelteon, a Melatonin Receptor Agonist, on the Duration of Stay in the ICU: A Single-Center Randomized Placebo-Controlled Trial*


おおおお〜。
日本の報告だ。頑張れ〜っつ。

せん妄があると、どうも、予後が悪そうだぞ、というのは、ある程度市民権を得ている。
ramelteon, は、メラトニン受容体刺激薬。
メラトニンは、せん妄予防にいいって報告も、昔からちらほらとは見られる、、、程度にある。
で、ーーーー
triple-blinded, のRCT。

患者は、Icuで、入室48時間以内に内服、若しくはNGチューブから投与できる状態の人。

介入群 ramelteon (8 mg/d),
control群 placebo (1 g/d of lactose powder)
毎日20:00に、Icu退室まで行う。

88 名。
ramelteon group (45 名)
placebo group (43 名).

で、、、、、
Icu退室が、短くなる傾向であった。
メラトニン (4.56 d)
プラセボ (5.86 d)
( p = 0.082 and p = 0.028 before and after adjustments).

せん妄は、
頻度減少 (24.4% vs 46.5%; p = 0.044)
期間減少 (0.78 vs 1.40 d; p = 0.048)
が、メラトニンで見られた。

非挿管患者で、
メラトニン群は、
夜間覚醒が有意に少なかった。

って事で、
メラトニンで、せん妄も、Icu滞在も減る、、、かも。ってことです。
コレでCCMに出るということは、結構注目されてた領域だったんだろうねー。




Combined Biomarkers Predict Acute Mortality Among Critically Ill Patients With Suspected Sepsis*

バイオマーカー、ってな、今後の医療の一つの注目領域ですよねー。
で、Sepsis。
9つもマーカー
(α-2 macroglobulin, C -reactive protein, ferritin, fibrinogen, haptoglobin, procalcitonin, serum amyloid A, serum amyloid P, and tissue plasminogen activator)を検討。
で、
死亡と関連しそうなのは、
serum amyloid P と、
tissue plasminogen activator
だった。
この複合が一番だったって。
測定が、、、下々の病院に降りて来るまで、、、もっとデータが集まるでしょう。



Ventilator Bundle and Its Effects on Mortality Among ICU Patients: A Meta-Analysis*

プロトコルなり、バンドルなり、
決まりごとを作る一番の意味は、
そこまで専門的で無い人でも、それに近いOutcomeを導き出す、投与言うことがある、思いまーす。

人工呼吸器のバンドルもね、、、
ほんと、、、必要なんだと思いますよ。。

13Study。
人工呼吸バンドルは、死亡率を減らしていた。
OR 0.90; 95% CI, 0.84–0.97
特に、
VAP患者では、顕著だった。
OR, 0.71; 95% CI, 0.52–0.97
他、
教育的 OR 0.88; 95% CI, 0.78–0.99
バンドル内に治療的記載 OR 0.87; 95% CI, 0.77–0.99

生存上昇と、バンドル遵守率には、関連がない。。。
ま、
なんだかんだ、、、、
限られた資源、限られた人材、で
なにかを回すのに効果的なのは、
決まりごと、と言う名のバンドルを作っちまった方がいいのかもね、って話。
どんなことを入れるか、とか、そう言うのは、EBMに従って、つくれなくはないよね、
各施設に見合って、それでいて効果的な、ね。



Flexible Versus Restrictive Visiting Policies in ICUs: A Systematic Review and Meta-Analysis*

時々見る話。
Icuの面会をFreeにすると、いいことと悪いことがある。
いいのは、
患者のせん妄が減る、
家族の満足度が上がる。
悪いのは、
労力が増え、スタッフのバーンアウトが増える、、、
と。
難しいですなぁ。バランスってやつは。。。




Trends in Use of Midodrine in the ICU: A Single-Center Retrospective Case Series


おおー。ミドドリンだあ。
実は興味あったんだよねー。
元々は、起立性低血圧の薬。
でも、カテコラミンを減らす、無くすために、
併用薬として使用する人がいて、
なんか意味あるんかなあ、なんて思ってましたが、
今、意味があるかどうかがわかるっぽい‼︎

一施設のレトロ。
2011〜16年。
低血圧に、ミトドリンが使われたケース。
1,119 patients 。
この内、
56% は、surgical ICUs,
42% は、medical ICUs,
2% は、mixed medical and surgical neurology ICU.
だった。

ミトドリン開始、、、、
24時間後、、、、
血管収縮剤投与は減った。
(663 to 344; p < 0.001)

血管収縮剤投与が続いた患者は、
その量が有意に減った。 ( p = 0.002).

収縮剤Off群で、平均血圧は上昇した。
(65–68; p < 0.01).

無症状性徐脈(50以下)が、最も多い副反応だった。
( n = 172 patients, median 39 beats/min).

2名で、腸管虚血が起き、1名では即、中断した。

年を追うごとに、ミドドリンの使用は増え続けている。

へえ〜。
増え続けている、、、ってことは、
それなりの効果を実感できているってことだわな。
正しい治療だけが生き残る訳ではないが、
生き残る治療には、目に見える効果を伴うことが多い。わかりやすいからね。。
もっと大きなデータでミドドリンの効果を調べて、って言う流れになるでしょう。
脱カテコラミン、と言う観点からは、
いい薬かもね。
使って見る機会があれば、使って見るかあ。




An Open-Loop, Physiologic Model–Based Decision Support System Can Provide Appropriate Ventilator Settings

人工呼吸器のアドバイス。。。
外国より、日本人のが頭固い気もするが。。。

72名の呼吸器患者。
アドバイスの受け入れは、 95.7% ‼︎
いいなあ、、、、。

41 patientsで、PS管理をしてて、
アドバイスで、PS圧を下げれた。
PS 8  以下にできたのは、15 patients (37%)。
これなら、抜管もできるレベルだしね。
離脱が早まったかもね。データはないけど。

EtCO2には、変動なし。
呼吸数/一回換気量(呼吸努力の指標)も、変動なし。

31 patientsでは、強制換気されてて、
一回換気量が、 下がって、
8 mL/kg 以下になったのが、9名。 (29%).

分時換気量は変わらず。
つまり、換気量が減って、回数が増えた、よと。

FIO 2 も低下させられた。
Satは、いい感じ範囲に維持された。

当たり前を当たり前にできてないこと、
結構あるけんね。。。
アドバイス、、、する事で、
4ー8時間以内に、これだけ治せる、、、と。
アドバイス、、、
聞く耳があるってな、大事な事ですな。



Clinical Outcomes and Mortality Impact of Hyperbaric Oxygen Therapy in Patients With Carbon Monoxide Poisoning

CO中毒に、高圧酸素は、やっぱり有効。
短期も1年も有意に死亡減ってるデータ。
そんな施設では、もう働かんと思うが。。。


Comparative Usefulness of Sepsis-3, Burn Sepsis, and Conventional Sepsis Criteria in Patients With Major Burns

熱傷も見ないけど。。。。
熱傷患者のSepsisを見つけるのには、
従来の基準、新しいSepsis3基準、、、とかより、SOFAスコア6以上、の方が、診断率がいい。
熱傷自体がSepsisもどきの反応やけんね。



Diagnostic Accuracy of Chest Radiograph, and When Concomitantly Studied Lung Ultrasound, in Critically Ill Patients With Respiratory Symptoms: A Systematic Review and Meta-Analysis

重症患者の肺。
CTは取りに行きにくいもんねー。
Xpは、あんまり、、、ダメだって。
わかんない事多すぎ。
一方。。。。
エコーはいいぜえ〜、って話。
うーん、ポータブルエコー、、、、
頼んで3年以上経つが、、、まだ来ない。
何故⁈