バイカーボ他、Lancetより。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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日々精進。

地震、、、大丈夫ですか⁈
最近また、多いですねえ。
大阪では子供さんが亡くなられたそうで、、、
なんてこったい、としか言えませんなあ。。。




Sodium bicarbonate therapy for patients with severe metabolic acidaemia in the intensive care unit (BICAR-ICU): a multicentre, open-label, randomised controlled, phase 3 trial


Background
急性のアシドーシス病態。
重症患者には特によく認められます。
Sodium bicarbonate(重炭酸Na、メイロンすな)、は、そんな重症アシドーシスに、治療効果があるか⁈、という疑問を抱えたまま、使用されているわけです。
実際、有効である、としたデータは、未だ嘗て、存在しないわけで、、、ね。
そこで、
今回も、改善するんじゃあ、と信じて仮説を組みましたと。

Methods
多施設RCT。
フランスの26ICU。
患者は、
18歳以上、48時間以内のIcu入室、
重症アシドーシス (pH ≤7·20, PaCO2 ≤45 sodium bicarbonate concentration ≤20)
で、
SOFA 4以上、もしくは、Lac2以上。

で、ランダムに、
Control、
4·2% sodium bicarbonate (bicarbonate group)
に、分類する。
(日本は、7%メイロンが主流かな)
で、
動脈Phを、7.3以上にするプロトコル。
プロトコルでは、
各一回投与は、三十分かけ、 125–250 mL の範囲とし、Max、で、24時間で1Lまで。
(何故Maxを設けたのかは不明だなあ、、、?)

ランダム化には、
年齢、Sepsis状況、AKINスコアの3つで補正。

primary outcome は、複合で、28日死亡、7日までの1個以上の臓器障害。

Findings
期間は、May 5, 2015, 〜May 7, 2017。
389 patients。
(194 control 、 195 バイカーボ)

primary outcome は、
Controlの、 138 (71%) /194
バイカーボの、 128 (66%) / 195
absolute difference estimate −5·5%, 95% CI −15·2 to 4·2; p=0·24
で起きていた。

28日生存だけで見ると、
46% [95% CI 40–54] vs 55% [49–63]; p=0·09、
で、有意差無しだった。
(とは言え、割とバイカーボでいいのね、、、)

コレを、
AKIN スコア2、3の患者で見ていくと、
Control vsバイカーボで、
(63% [95% CI 52–72] vs 46% [35–55]; p=0·0283).
と、、、有意に、Controlで良かった。。。

代謝性アルカローシス、高な、低Ca、が、バイカーボ群で多く見られた。
大きな致死的な合併症は無かった。

Interpretation
で、ざっくり言えば、バイカーボ、無効です、と。
一部の群だけ、取ってみると、バイカーボ、良いかも?(悪いかもじゃね⁈)、ってのはあるかもしれんと。
僕はまあ、、、、
一部だけ良いかも、系の話はもう、飽きましたんで、信じませんが、、、。
どうにもならん、、、って時(ま、大体助からんですが)以外は、バイカーボ、もっと慎重に投与されたら如何でしょう?
Ph7.3とかでも、、、、全開で投与する人、、、たまに見ますけんね。
そういうもんじゃ、無いっしょ?
とりあえず、無効、ですけんね。少なくとも。




Trends in cause-specific mortality among adults with and without diagnosed diabetes in the USA: an epidemiological analysis of linked national survey and vital statistics data


何十年かでの死亡の変遷。
ま、減ってるのは当然なんですが、
DM患者の死亡が減ってるのが顕著なんだって。
特に60台で男性だと、更に。
死因では、
血管系、癌系の低下が大きく、それ以外はちょろっと。
ふーん、
DMの管理ってな進歩してんのね。
血糖管理だけじゃなく、付随する血圧とかも、なんだろうがね。
いcうじゃ、血糖管理は迷走してるっていうのに、、、。慢性期管理は、しっかり確立しつつある。
いつの日か、急性期も、、、ね。
がんばろっしゃ。




Benefits and harms of screening men for abdominal aortic aneurysm in Sweden: a registry-based cohort study

病院にはかかってるけど、、、
ある日突然、AAA破裂、、、ってな
それなりにあるエピソード。
スクリーニング、は大事でしょうが、、、
難しいとこもあるよね。

男性、65〜74歳以上の人へのスクリーニング。

スウェーデン男性のAAA死亡は、
2000〜2015の間に、
36 から 10 deaths /100 000
に減少した。
スクリーニング開始と関係なく、減少していた。
スクリーニング後、6年で、
死亡は、有意には減らず。
[aOR] 0·76, 95% CI 0·38–1·51
コレは、
2名のAAA死亡を減らすのに、
10 000 名のスクリーニングが必要なことを示している。

スクリーニングにより、
AAAの診断率は増えた。
aOR 1·52, 95% CI 1·16–1·99; p=0·002
定時手術の頻度も増えた。
aOR 1·59, 95% CI 1·20–2·10; p=0·001
が、
10000名スクリーニングあたり、
49名の過剰診断があり、
うち、19名は避けられた手術をしている可能性があった。

むう。。。。
AAAの死亡率は減ってるが、
それはスクリーニングとは無関係。。。。
単純に、血圧はじめ、日常のケアの質が上がったことを示していると。
スクリーニングにかかる、ひと、金、
そういうの考えると、、、、
意味はないことだ、と。
ま、、、
そだねー。
ただ、、、診断されずAAA 破裂で運ばれてくる患者が多い病院にいると、、、、
なんとかならんかなあ、、、とは思うガネ。