今週のJAMA。やっぱ、Vasoはエエなぁ。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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Effect of Coaching to Increase Water Intake on Kidney Function Decline in Adults With Chronic Kidney Disease
The CKD WIT Randomized Clinical Trial


高齢者の方が、高齢のDrにかかると、
水をたくさん飲むように、って指示が結構出ますな。
飲みすぎて心不全で運ばれてくる患者もいるくらい、律儀に実行するのが日本人気質でしょうか。。。


Importance
観察研究では、水をたくさん飲むと、腎臓機能が保持される、というものがあります。

Objective
慢性腎障害(CKD)がある患者に、
水をたくさん飲むように推奨すると、どうなる?

Design, Setting, and Participants
The CKD WIT (Chronic Kidney Disease Water Intake Trial) 、ーと、
名付けられたRCT。

第二の故郷、Ontario, Canadaから。
CKDは、Stage3
( [eGFR] 30-60 mL/min/1.73 m2 で、microalbuminuria か、macroalbuminuriaアリ)
更に、24時間尿量が3L以下。

Interventions
介入群 (n = 316) は、水をたくさん飲むように推奨される。
Control群 (n = 315) は、通常通り。

Main Outcomes and Measures
primary outcomeは、腎臓機能の変化。
(eGFR が12ヶ月後にどうなったか)

Secondary outcomesは、1年後の、 血漿 copeptin 濃度、Ccr、24時間Alb尿、患者評価の健康状態。

Results
631 patients (mean age, 65.0 years; men, 63.4%)は、ベースで、
mean eGFR,は、43 mL/min/1.73 m2;
median urine albumin, 123 mg/d 。
期間中
12 名 (介入群 [n = 5]; control群 [n = 7]). が死亡。

590 名の生存者を解析。
24時間尿量は、
介入群で、0.6 L 多かった。
eGFR は、
介入群 −2.2 mL/min/1.73 m2
Control群 −1.9 mL/min/1.73 m2
で、差は無い。

secondary outcomesの差は、
copeptin, −2.2 pmol/L (95% CI, −3.9 to −0.5; P = .01)
Ccr, 3.6 mL/min/1.73 m2 (95% CI, 0.8 to 6.4; P = .01);
urine albumin, 7 mg per day (95% CI, −4 to 51; P = .11);
QOL評価, 0.2 points (95% CI, −0.3 to 0.3; P = .22).

Conclusions and Relevance
CKD患者に水分摂取を勧めると、、、、
1年後の腎臓機能は、、、
変わらず、、、、でしたと。

ふーん。
でも、Ccrはちょっと低下が下がってるしね、
少なくとも、悪いもんでは、なさそうなのか?
ただ、、、、
一気に進んだ時は、心不全一直線やけん、気をつけていただきたいが。
気をつけてねもらえりゃ、水分摂取を推奨すると、もしかすると、、、だけど、いいかもしれん、と。
昔の人の言うことは聞くもんですなあ。




Effect of Intravesical Instillation of Gemcitabine vs Saline Immediately Following Resection of Suspected Low-Grade Non–Muscle-Invasive Bladder Cancer on Tumor Recurrence
SWOG S0337 Randomized Clinical Trial


TUR Btのオペ後。
膀胱鏡で、ちょっとした膀胱腫瘍を取るオペっすね。
その後に、膀胱内に、抗がん剤であるゲムシタビンを投与すると、、、?
4年での再発が減った‼︎
gemcitabine, 35%;
saline, 47%;
hazard ratio, 0.66
とするStudy。

マジか?
あんなん、只のおまじないかと思ってたが、効いてるんだ‼︎
って言うStudy。
うちで使ってるのも効くのかな⁈



Association of Vasopressin Plus Catecholamine Vasopressors vs Catecholamines Alone With Atrial Fibrillation in Patients With Distributive Shock
A Systematic Review and Meta-analysis


Importance
Vasopressin の事なら、カブリオレに聞け‼︎
ではないけれど、興味津々のVaso関連Study。
distributive shock(再分布性Shock)と言われる、血管拡張を主体とした病態っすな。
一番は、Sepsisが有名ですが、結構、起きてますな。
慣習的のに、カテコラミンが使われてきました。でも、カテコラミンには害もある、不整脈(特にAf)や、過剰な心筋酸素消費、などだ。
で、非カテコラミン系昇圧剤が、長いこと期待されてるわけ。
今回、特にAfに着目。死亡含め、隊員期間とかも、増えるけんね。

Objectives
『vasopressin + catecholamine併用 』と、『catecholamine単独』 で、
悪いイベントが減るか。

Study Selection
distributive shockに対し、Vaso併用、カテコラミン単独を比較しているRCT。

Main Outcomes and Measures
primary outcome は、Af。
その他で、死亡、透析、MI、VT、Stroke、など。

Results
23RCT。
3088 patients;
mean age, 61.1 years [14.2]; women, 45.3%

で、
Vaso使うと、Af頻度は下がる。
(RR, 0.77 [95% CI, 0.67 to 0.88];
risk difference [RD], −0.06 [95% CI, −0.13 to 0.01]).

死亡は、
RR 0.89 (95% CI, 0.82 to 0.97; RD, −0.04 [95% CI, −0.07 to 0.00]);
で、下がっているが、
質がいいStudyに限れば、
RR 0.96 (95% CI, 0.84 to 1.11).
で、差はない。

透析は、
RR 0.74 (95% CI, 0.51 to 1.08; RD, −0.07 [95% CI, −0.12 to −0.01]).
有意じゃないが、程度。
これも質が高いのだけだと、
RR 0.70 (95% CI, 0.53 to 0.92, P for interaction = .77).
あれあれ、、、逆に差がでた。。。

他には差がないと。

Conclusions and Relevance
Vaso併用、、、、
もっと受け入れられてもいいと、常々思っております。
副作用が怖い?
なんや副作用って?
心筋虚血?
カブリオレTrialで、ちゃんとそんなん差がないと証明されてるぜえ。
ま、、、
若干、肝臓系の血流、腸管血流は、不明な部分もあるが、、、それは他の収縮剤でも言えることで。

しっかし、
JAMAの結論として、
メタ解析で、Vaso併用すると、Afが下がると出た。
でも、その数年前に、
カブリオレTrialでは、
心筋虚血をPrimaryとはしてるが、
Secondaryで、Afが減ったことも報告している。
ふっふっふ。
やってきたことに、間違いは無かったぜえ、
っていっていいのかな?
なんか、嬉しいものですよ^_^