VitB1 ✖︎ 心臓手術 | 犬好き麻酔科医ブログ

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VitamineCのついでに、
VitamineB1も、調べてみました^ ^


Thiamine as an adjunctive therapy in cardiac surgery: a randomized, double-blind, placebo-controlled, phase II trial.

2016年にRCTがありました。
Critical Careって、僕がよく見る雑誌だけど、
ちゃんと拾ったかな?覚えてない。。。

BACKGROUND:
Thiamine(VitB1)は、好気性代謝には欠かせない物質です。
CABG前に、サイアミンを投与することにより、術後のLacレベル(嫌気性代謝の指標)を測定することにより、好気性代謝が増えて居るかというとこを調べる、と。

METHODS:
CABG患者でRCT。
介入群は、thiamine (200 mg)
Controlは、 placebo 。
手術前、手術後の2回、投与する。

primary endpointは、術後Lac。
そのほかに、ピルビン酸脱水素活性、全体と組織の酸素消費、術後合併症、滞在期間。

RESULTS:
64patients。
Thiamine levels は、当然、高くなった。
(1200 [683, 1200] nmol/L vs. 9 [8, 13] nmol/L, p < 0.001).

術直後のlactate levels に、差はなかった。
(2.0 [1.5, 2.6] mmol/L vs. 2.0 [1.7, 2.4], p = 0.75).

ピルビン酸脱水素活性は、低下した。
(15% [11, 37] vs. 28% [15, 84], p = 0.02).

術後1時間での全身の酸素消費が増えた。
(difference: 0.37 mL/min/kg [95% CI: 0.03, 0.71], p = 0.03)
同じく、組織酸素消費も増えた。
臨床的なOutcomeには、差がなかった。

CONCLUSIONS:
ふむ。
Lacレベル、臨床的なOutcome、両方差がないと。
ただ、酸素消費量が上がっていた、、、と。
ただ、OutComeに関係がないんで、
それがいいのか(正常な代謝をKeepした)、
それが悪いのか(運搬とのアンバランスを産んだ)
その辺が全く評価できん。
ま、、、
一言で言えば、意味がない、ってことでいいのか?



Influence of intravenous thiamine supplementation on blood lactate concentration prior to cardiac surgery: A double-blinded, randomised controlled pilot study.

似た感じ。こちら2015年。
で、Lacレベルに差はないってさ。
ま、意味なさそうでいいのかな。


Coronary artery bypass graft surgery depletes plasma thiamine levels.

2010年。
コレはCABGのデータだけど、
重症患者では、オペ後とか、VitB1の濃度が低下することが示されて居る。
むう、、、
補充療法が効くケースももしかすると?
ってくらいかなぁ?

って事で、
VitCに比べるとだいぶ少なめダネ?