2016年、一月のMVP⁈ | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

長いの読む気力がないので、、、
1月なんでね、おさらいー。


去年のMVP論文を探しに、Reviewしましょ。
まず、1月から。


Two-Year Outcomes of Surgical Treatment of Severe Ischemic Mitral Regurgitation

先ずはコレ。
虚血性MRの手術は、未だ議論のあるトコですがね、
でも、2年時点では、死亡に差はない、、、、
けど、、、、
心不全、MR再発とかは、
MVRのが、MVPより、少なくて済む、って。
テザリングとかあるし、やっぱ、MVRを個人的はオススメ。



Utility of Tracheal Aspirate Culture in Newly Intubated Patients with Community-Onset Pneumonia

肺炎患者の挿管時に、培養取ると、
2/3で、犯人が判明!!!
んー、肺炎患者の挿管にあんま、立ち会わんからなあ、、、
でも、培養無しで、抗生剤を適当に変えてる人の多いこと、、、。
僕も気をつけます^ - ^



Feasibility and Safety of Physical Therapy during Continuous Renal Replacement Therapy in the Intensive Care Unit

CRRT(持続透析)中でも、安全にリハビリ、やってるぜえ〜、
ワイルドだろう〜、って。
いや、ワイルドだろうとは言ってないです、ごめんなさい。
CRRT中は、大人しく?、安静?、
は、ちゃんちゃらオカシイぜ〜、って。
うーん、ワイルド〜。


Dexmedetomidine versus Propofol Sedation Reduces Delirium after Cardiac Surgery: A Randomized Controlled Trial

心臓手術後の鎮静は、Propoより、Dexで、せん妄が少ないと。
脈の問題さえなけりゃ、僕も絶対Dexのがいいと思うわ〜。
しかし、いつ迄経っても、鎮静は、深いママですけど〜。



Teamwork in the ICU–Do We Practice What We Preach?

Icuでの多職種ラウンドの必要性!
うーん、、、現状、僕は全然、活かしきれてません。。。
全権委任とかなら、大変だけど、頑張るんだけどね〜、
あ、そうすると、ブログはする時間ないなあ。。。



Sugammadex and neostigmine dose-finding study for reversal of residual neuromuscular block at a train-of-four ratio of 0.2 (SUNDRO20)†,

僕レベルでは、スガマデックス(筋弛緩の拮抗)は、4mg/kgうたしてもらっちゃってますが、
全てのクスリには害がある、という観点だと、
少なくて拮抗出来るならいいよね、っていう、通好み。
自分じゃ楽な方を選んでしまうけえ、、、適量を、誰かお願い!
あ、ワゴスチグミンは、めっきり使わんな。
TOFが改善しきらんもんね、あのクスリ。



A multicenter study on the effect of continuous hemodiafiltration intensity on antibiotic pharmacokinetics

CRRT中の抗生剤。
議論は尽きんですが、
最近じゃ、通常記載よりも多いDoseで行くべき、と言う意見が多いのかな?
ま、確かにねえ、副作用より、細菌をどげんかせんといかんもんね。
難しいトコですが。


The course of diaphragm atrophy in ventilated patients assessed with ultrasound: a longitudinal cohort study

横隔膜エコーは、この辺から、ちょくちょくデータ報告されるねー。


Hydroxyethyl Starch 130/0.4 and the Risk of Acute Kidney Injury After Cardiopulmonary Bypass: A Single-Center Retrospective

HES使うと、心臓手術後の、AKI、出血での再手術が増えたって。
うん、一言。
使うな!!!


Frozen vs Fresh Fecal Microbiota Transplantation and Clinical Resolution of Diarrhea in Patients With Recurrent Clostridium difficile Infection
A Randomized Clinical Trial

冷凍💩 🆚 常温💩で、
クロストリジウム改善効果は同等、と。
💩すげえぜ



Association between Intraoperative Hypotension and Myocardial Injury after Vascular Surgery

麻酔中の血圧低下と予後が関係⁈、ってなやつのはしりの報告。
ま、僕は程々しか、気にせんよ、こんなの。


Antithrombotic Therapy for VTE Disease: CHEST Guideline

DVTガイドライン。
最近、ちょっと話題になることもあったんで、全部貼るね。


1; DVT患者に、3ヶ月の抗凝固を勧める。(Grade 1B)

2; DVT、癌なし患者に、抗凝固として、
dabigatran, rivaroxaban, apixaban、edoxaban の新規薬剤を、
ワーファリンよりも勧める。 (all Grade 2B).
低分子ヘパリンより、ワーファリンを勧める。 (Grade 2C).

3; 癌ありのDVT患者に、
低分子ヘパリンを、ワーファリン、新規薬剤より勧める。(2c)

4;3ヶ月を超えて使用する際も、抗凝固の内容を変える必要はない(2c)

5;周術期のDVTには、3ヶ月の抗凝固を、
より短い、より長い抗凝固よりも勧める。(1b)

6;周術期でなくとも、基本は一緒。(1b)
出血リスクあれば、3ヶ月以内となることも。(2b)

7;遠位のDVTには、基本3ヶ月(1b)だが、
短い期間でもいいかもしれない(2c)

8;特定の原因ないDVTでも、3ヶ月の抗凝固を勧める(1b)

9;初発DVT患者で、
出血リスクが、低~中の患者には、
期間を決めない抗凝固を3ヶ月の抗凝固より勧める(2b)
出血リスクが高い場合には、
3ヶ月の抗凝固を勧める(1b)


10;2回目の誘引なきDVTに、
出血リスクが低~では、期間を決めない抗凝固(1b)
出血リスクが中~では、期間を決めない抗凝固(2b)
出血リスクが高~では、3ヶ月の抗凝固(2b)
を推奨する

11;癌性DVT患者で、
出血リスクが低ければ、期間を決めない抗凝固(1b)
出血リスクが高ければ、3ヶ月の抗凝固(2b)
を推奨。

12;抗凝固中断中の誘引なきDVTに対し、
再発予防に ASAを使用して良い(2c)

13;急性の遠位DVTに対し、
症状やリスクがなければ、2週間経過を見る(2c)
症状やリスクがあれば、抗凝固を開始する(2c)

14;急性の遠位DVTを、抗凝固内服中に起こした場合、
同じ薬剤の抗凝固を勧める。(1b)

15;急性の遠位DVTを画像Followした場合、
進展がなければ、抗凝固なし(1b)
遠位だが、進展があれば、抗凝固を(2c)してもいいし、
近位に進展してれな、抗凝固する(1b)

16;急性近位DVTに対し、
カテーテル血栓溶解より、抗凝固単独を推奨(2c)

17; 急性のDVTで、抗凝固中に、IVCフィルターは使わない(1b)

18; 急性のDVTで、弾性ストッキングを推奨しない(2b)

19; 遠位PE、遠位DVTで、再発予防に、
再発リスクが低ければ抗凝固勧めるない(2c)
再発リスクが高ければ、抗凝固(2c)

20;PEの確率が低く、ちゃんとした環境なら、
早期に自宅での治療に切り替える(2b)

21;急性のPEで低血圧なら、全身血栓溶解を考慮(2b)

22;急性のPEで、低血圧がなければ血栓溶解しない(1b)

23;急性のPEで、抗凝固使用中に、PEの悪化があった際、
低血圧をきたしていなくても、出血リスクが低ければ、血栓溶解(2c)

24;急性のPEで、血栓溶解する場合、末梢静脈ルートを推奨(2c)

25;急性のPEで低血圧だが、
出血リスクが高い場合、全身血栓溶解が不成功の場合、
Shockで末梢静脈ルートでは間に合わない(効果に数時間かかる)場合、
カテーテルによる血栓除去を推奨(2c)

26;慢性のPEで、肺高血圧では、血栓内膜除去を勧める。(2c)


27;上肢の近位DVTに、抗凝固を勧める(2c)

28;上肢の近位DVTで、血栓溶解した場合も、同じ期間の抗凝固を勧める。(1b)

29;抗凝固使用中にも、DVT再発する場合、短期間、
低分子ヘパリンに変更することを勧める(2c)

30;低分子ヘパリン中に、DVT再発した場合、量を1/4-1/3増やす(2c)

はい、、、
急性DVTに、抗凝固薬しながら、IVCフィルターしちゃいけませんし、
リハビリ依頼や、ストッキング履かせちゃいけません!!!
JoーShikiだよー。




Conservative versus Liberal Oxygenation Targets for Mechanically Ventilated Patients. A Pilot Multicenter Randomized Controlled Trial

人工呼吸中のSatは、88-92%で、十分じゃあ〜、って。
そこまで厳しく、、、とも思うが、
概念としては、非常に重要っすなあ〜。


A Call to Reduce the Use of Bridging Anticoagulation

ヘパリンによる、Bridgingに対する警告っすな。
うちでも、大分減らせたかなぁ?
機械弁くらいかなぁ。


そんな感じかな〜。
ま、
重要性で言ったら、
やっぱり、、、、
虚血性心疾患のMR手術だよねー。
あとは、人工呼吸中のSat目標が、
重要度高いよね〜。

以上〜。